世界的ファッションデザイナーのトム・フォードが『シングルマン』 (09)以来、7 年ぶりに監督を務めた最新作『ノクターナル・アニマルズ』が 11 月 3 日(金・祝) より、TOHO シネマズ シャンテほか全国公開致します。
主演にエイミー・アダムス(『メッセージ』)、ジェイク・ギレンホール(『ナイトクローラー』)の実力派の 2人を迎えた本作は、第 73 回ヴェネツィア国際映画祭で審査員グランプリ受賞をはじめ、脇を固める名優マイケル・シャノンが本年度アカデミー賞®で助演男優賞にノミネート、アーロン・テイラ ー=ジョンソンが第 74 回ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞するなど、各国の映画祭で受賞を重ね、高い評価を受けている『ノクターナル・アニマルズ』。
自身で脚本も手掛けたスリリングでミステリアスな展開と細部にまでこだわられた映像美を世界中が大絶賛!
天が二物どころか幾つの才能を与えたのかわからない!ファッション界のみならず、映画界でも類まれなる才能を発揮するトム・フォードとは、どんな人物なのか――。その魅力をもう一度考えて見ましょうー
グッチのイメージを一新して人気を復活させ自身のブランド“トム・フォード”を設立したファッション界の生きる伝説トム・フォード
1961 年 8 月 27 日、テキサス生まれのトム・フォードは、ニューヨーク大学で美術史を専攻後、編 入したパーソンズ美術大学で建築を学ぶ。
あまり知られていないが、在学中に俳優を志し CM 出 演も果たしている。
70 年代のニューヨーク、ビアンカ・ジャガーやデヴィッド・ボウイ、マイケル・ジ ャクソン、トルーマン・カポーティなど錚々たるメンバーが足を運んだ、最先端のナイトスポット 「スタジオ 54」では、アンディー・ウォーホルら時代の寵児たちと親交を深め、ファッションやアー トの世界にも傾倒していく。
その後、キャシー・ハードウィックとペリーエリスのもとファッション業界で才能を発揮し、注目を集める。
94 年、グッチのクリエイティブディレクターに就任。
しかし、当時のグッチは、深刻な業績不振で経営が危ぶまれおり、トム・フォードは立て直しに奮闘。それまでのクラシックなイメージを一新し、セクシーでゴージャス、かつモードなグッチを確立。その成果は、トム・フォードがクリエイティブディレクターに就任してから、10 年で売り上げをおよそ 13 倍に伸ばしていることでもわかる。
この復活劇は「トム・フォード シンドローム」と呼ばれ、ファッション業界では伝説として語り継がれている。
その後、00 年にはイヴ・サン=ローランとグッチグループ全体におけるクリエイティブディレクターに就任。
05 年、自身の名を冠したブランド“トム・フォード”を設立。
14 年には、ファッション業界のアカデミー賞にあたるCFDA 賞のジェフリー・ビーン生涯功労賞を、15 年にはメンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーなど、これまで7度の受賞に輝き、不動の地位を確立。
デザイナーとしては勿論、加えて経営的な観点も併せ持った才能で長年ファッション業界の第一線を走ってきたトム・フォード。
そんな彼のブランドは、『007 慰めの報酬』(08)から、ジェームズ・ボンドが着るスーツを衣装提供していることでも知られる。
また、アカデミー賞®でも着用する俳優たちが多く、最近では、『ベイビー・ドライバー』で主演を務めたアンセル・エルゴートが オフィシャルイベントで身に着けたり、“トム・フォード”がお気に入りだと公言している女優のジュリアン・ムーアが、監督デビュー作 『シングルマン』に出演するなど、多くのハリウッドスターからも愛されている。
映画監督デビュー作『シングルマン』(09)で、いきなり主演のコリン・ファースをヴェネツィア映画祭男優賞ほか数々の主演男優賞に導く!
世界がその才能を絶賛!
ファッション界で成功を収める一方、05 年、映画製作会社フェイド・トゥ・ブラックを設立し、長年熱い想いを秘めていた映画の世界へ進出。
09 年に、クリストファー・イシャーウッドの小説に基づく『シングルマン』(09)で映画監督デビューを果たす。同作では監督のほか、共同脚本、製作も務めた。
独特の映像美と世界観は絶賛され、主演のコリン・ファースは、ヴェネツィア国際映画祭男優賞、英国アカデミー賞主演男優賞を受賞。その他、アカデミー賞主演男優賞ノミネートやゴールデングローブ賞など多数の賞にノミネートされるなど、初監督作品とは思えない超異例な高評価を得る。同作で 一躍、世間に映画監督としての“トム・フォード”を知らしめた。
トム・フォードにしか映し出せない、究極まで感覚を刺激される美しくも危ういミステリー映画『ノクターナル・アニマルズ』
トム・フォード監督2作目『ノクターナル・アニマルズ』は、ヴェネツィア国際映画祭で審査員グランプリを受賞ほか、ゴールデングローブ賞では監督賞、脚本賞にノミネートさ れるなど高く評価されている。
米作家オースティン・ライトの原作に惚れ込んだトム・ フォードが一人で脚本を担当。
20 年前に別れた夫から送られてきた1冊の小説をめぐる“小説”“過去”そして“現在”が複雑に絡み合い、曖昧になっていくミステリアスな物語を描き出し、映画祭では脚色賞も受賞するなど文才も発揮している。
ファッション同様、一切妥協をしないトム・フォードこだわりの映像美と緻密な脚本で映し出される極上のミステリー作品。
天が二物、いや、それ以上を与えたといっても過言ではないトム・フォードが生み出した、新たなる“新作”。その世界に秋は浸ってみてはいかがだろうかー
トム・フォード監督最新作『ノクターナル・アニマルズ』本予告
【STORY】
経済的には恵まれながらも、夫との関係が上手くいかず満たされない日々を過ごすスーザンのもとに 20 年前に別れた元夫から送 られてきた衝撃的な内容の小説が送られてくる。
精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、それとも復讐なのか――。
脚本・監督:トム・フォード
出演:エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン アイラ・フィッシャー、アーミー・ハマー、ローラ・リニー、アンドレア・ライズブロー、マイケル・シーン
原作:「ノクターナル・アニマルズ」(オースティン・ライト著/ハヤカ ワ文庫)
2016/アメリカ/116 分/PG-12 /ユニバーサル作品
配給:ビターズ・エンド/パルコ
(C)Universal Pictures