日本時間で、2⽉27⽇(⽉)午前10:00よりスタートするアカデミー賞授賞式。
アメリカの賞レース予想サイト「awards.watch.com」でも最終予想が発表されましたが、ここで再確認です。

全体を見ると『ラ・ラ・ランド』の13部門14ノミネートに次いで、『ムーンライト』と『メッセージ』が8部門ノミネートで続きます。
14ノミネートは1997年の『タイタニック』、1950年の『イヴの総て』と並ぶ歴代最多となり、また、ミュージカル映画のノミネートとしては、1979年に9部門にノミネートされた『オール・ザット・ジャズ』以来となります。

一応主要部門のノミネート作品をおさらいすると

作品賞

「メッセージ」
「Fences」
「ハクソー・リッジ(原題)」
「最後の追跡」
「Hidden Figures」
「ラ・ラ・ランド」
「LION ライオン 25年目のただいま」
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
「ムーンライト」

監督賞

ドゥニ・ヴィルヌーヴ「メッセージ」
メル・ギブソン「ハクソー・リッジ」
デイミアン・チャゼル「ラ・ラ・ランド」
ケネス・ロナーガン「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
バリー・ジェンキンス「ムーンライト」

主演男優賞

ケイシー・アフレック「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
アンドリュー・ガーフィールド「ハクソー・リッジ」
ライアン・ゴズリング「ラ・ラ・ランド」
ビゴ・モーテンセン「はじまりへの旅」
デンゼル・ワシントン「Fences」

助演男優賞

マハーシャラ・アリ「ムーンライト」
ジェフ・ブリッジス「最後の追跡」
ルーカス・ヘッジズ「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
デブ・パテル「LION ライオン 25年目のただいま」
マイケル・シャノン「ノクターナル・アニマルズ(原題)」

主演女優賞

イザベル・ユペール「Elle」
ルース・ネッガ「ラビング 愛という名前のふたり」
ナタリー・ポートマン「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」
エマ・ストーン「ラ・ラ・ランド」
メリル・ストリープ「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」

助演女優賞

ヴィオラ・デイビス「Fences」
ナオミ・ハリス「ムーンライト」
ニコール・キッドマン「LION ライオン 25年目のただいま」
オクタビア・スペンサー「Hidden Figures」
ミシェル・ウィリアムズ「マンチェスター・バイ・ザ・シー」

今回、注目すべきなのが、史上最多でノミネートされている『ラ・ラ・ランド』が一体いくつの賞を受賞するかが、一つの見どころになっています。
今までの受賞の最多は11部門を制した3作品となります。

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 (2003)』
〔作品賞〕〔監督賞〕〔脚色賞〕〔作曲賞〕〔歌曲賞〕〔美術賞〕
〔衣裳デザイン賞〕〔メイクアップ賞〕〔特殊効果賞〕〔音響賞〕〔編集賞〕
『タイタニック(1997)』
〔作品賞〕〔監督賞〕〔撮影賞〕〔作曲賞〕〔歌曲賞〕〔美術賞〕
〔衣装デザイン賞〕〔視覚効果賞〕〔音響効果賞〕〔音響賞〕〔編集賞〕
『ベン・ハー(1959)』
〔作品賞〕〔主演男優賞〕〔助演男優賞〕〔監督賞〕〔撮影賞〕〔作曲賞〕
〔美術賞〕〔衣装デザイン賞〕〔特殊効果賞(旧)〕〔編集賞〕〔録音賞〕

上記に続くのが、10部門獲得した
『ウェストサイド物語』(1962年)
以下9部門が
『イングリッシュ・ペイシェント』(1997年)
『恋の手ほどき』(1959年)
以下8部門が
『マイ・フェア・レディー』(1965年)
『波止場』(1955年)
『地上より永遠に』(1954年)
『風と共に去りぬ』(1940年)

今回下馬評では、『ラ・ラ・ランド』は10部門は射程圏内に入ったというところですが、実際11部門での受賞の可能性もあり、10部門でもミュージカルの最多となる『ウェストサイド物語』と並ぶ歴史的快挙となります。

以下、アメリカの賞レース予想サイト「awards.watch.com」よりの主要部門の予想得点です。
(タイトルの横が予想の得点数)

作品賞 Best Picture

作品賞は、『ラ・ラ・ランド』と『ムーンライト』が最有力ですね。監督賞と合わせ、この2作品に一騎打ちでは--

1 La La Land #100

画像: 『ラ・ラ・ランド』日本版予告 youtu.be

『ラ・ラ・ランド』日本版予告

youtu.be

2 Moonlight #90

画像: © 2016 A24 Distribution, LLC

© 2016 A24 Distribution, LLC

3 Manchester By the Sea #80
4 Lion #67
5 Arrival #58
6 Hidden Figures #50
7 Hacksaw Ridge #42
8 Hell or High Water #30
9 Fences #23

監督賞 Best Director

ここも、同じく『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼルと『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス。

1 Damien Chazelle, La La Land #50

デイミアン・チャゼル監督 
photo by S.Haraikawa

2 Barry Jenkins, Moonlight #39

バリージェンキンス監督

3 Kenneth Lonergan, Manchester By the Sea #27
4 Denis Villeneuve, Arrival #23
5 Mel Gibson, Hacksaw Ridge #11

主演男優賞 Best Actor

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックの本命は揺るぎないのですが、ここへきて米・俳優組合賞(SAG)主演男優賞受賞した『Fences』デンゼル・ワシントンが追い上げてきています。ケイシー・アフレックはすでにゴールデン・グローブ賞ドラマ部門主演男優賞、英国アカデミー賞主演男優賞受賞していますが--

画像: ケイシー・アフレック主演 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』 特報 youtu.be

ケイシー・アフレック主演
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』 特報

youtu.be

1 Casey Affleck, Manchester By the Sea #46
2 Denzel Washington, Fences #44
3 Ryan Gosling, La La Land #30
4 Andrew Garfield, Hacksaw Ridge #16
5 Viggo Mortensen, Captain Fantastic #14

主演女優賞 Best Actress

ここは、エマ・ストーンの独走に対して、イザベラ・ユペールがどこまで支持を集められるかですね。ゴールデン・グローブ賞ではコメディ・ミュージカル部門はエマ・ストーンがドラマ部門はイザベラ・ユペールが受賞しています。

1 Emma Stone, La La Land #50

画像: エマ・ストーン © 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.

エマ・ストーン
© 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND.Photo courtesy of Lionsgate.

2 Isabelle Huppert, Elle #38

画像: イザベラ・ユペール (C) 2015 SBS PRODUCTIONS – SBS FILMS– TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION – FRANCE 2 CINÉMA – ENTRE CHIEN ET LOUP

イザベラ・ユペール
(C) 2015 SBS PRODUCTIONS – SBS FILMS– TWENTY TWENTY VISION FILMPRODUKTION – FRANCE 2 CINÉMA – ENTRE CHIEN ET LOUP

3 Natalie Portman, Jackie #32
4 Meryl Streep, Florence Foster Jenkins #20
5 Ruth Negga, Loving #10

助演男優賞 Best Supporting Actor

『ムーンライト』マハーシャラ・アリが本命。追い上げる『LION/ライオン ~25年目のただいま~』 のデヴ・パテル。『最後の追跡』のジェフ・ブリッジスが大穴か?

1 Mahershala Ali, Moonlight #50

画像: マハーシャラ・アリ (C) 2016 Dos Hermanas, LLC. All Rights Reserved.

マハーシャラ・アリ
(C) 2016 Dos Hermanas, LLC. All Rights Reserved.

追い上げるデヴ・パテル

画像: デヴ・パテルが出演する『LION/ライオン ~25年目のただいま~』日本版ショート予告 youtu.be

デヴ・パテルが出演する『LION/ライオン ~25年目のただいま~』日本版ショート予告

youtu.be

1 Mahershala Ali, Moonlight #50
2 Jeff Bridges, Hell or High Water #34
2 Dev Patel, Lion #34
4 Lucas Hedges, Manchester By the Sea #18
5 Michael Shannon, Nocturnal Animals #14

助演女優賞 Best Supporting Actress

ゴールデン・グローブ賞助演女優賞、米・俳優組合賞(SAG)助演女優賞、英国アカデミー賞助演女優賞受賞のヴィオラ・デイヴィスが強いか?!『ムーンライト』ナオミ・ハリスや『LION/ライオン ~25年目のただいま~』のニコール・キッドマン、『マンチェスター・バイ・シー』ミシェル・ウィリアムズが逆転するか?

1 Viola Davis, Fences #50
2 Michelle Williams, Manchester By the Sea #40
3 Naomie Harris, Moonlight #25
4 Nicole Kidman, Lion #23
5 Octavia Spencer, Hidden Figures #12

外国語映画賞 Best Foreign Language Film

もともと、『ありがとう、トニ・エルドマン』が最有力でしたが、ここへきてトランプ大統領の入国制限命令などが波紋を投げ掛け、『セールスマン』アスガー・ファルハディ監督への支持が増えてきております。ファルハディ監督は、授賞式に出席しないと表明を出しており、抗議し話題になりました。

1『ありがとう、トニ・エルドマン』Toni Erdmann (Germany) #43

画像: (c) Komplizen Film

(c) Komplizen Film

2『セールスマン』The Salesman (Iran) #40

画像: (C)MEMENTOFILMS PRODUCTION ASGHAR FARHADI PRODUCTION ARTE FRANCE CINEMA 2016

(C)MEMENTOFILMS PRODUCTION ASGHAR FARHADI PRODUCTION ARTE FRANCE CINEMA 2016

3 Land Of Mine (Denmark)  #31
4 A Man Called Ove (Sweden) #26
5 Tanna (Australia) #10

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