超低予算を逆手にとった創意工夫と綿密なリサーチ、確かな技術力で世界中の映画祭を席巻したまったく新しいガールズ・ムービー『タンジェリン』が2017年1月下旬より渋谷シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開されます。

 全編iPhoneで撮影された『タンジェリン』ですが、それ以上に全米公開時に大きな話題を集めたのが当時まったく無名だった主演女優の二人、マイヤ・テイラーとキタナ・キキ・ロドリゲスでした。「最高のキャスティング。主演二人が強烈な存在感でスクリーンを支配する」(ニューヨーク・タイムズ紙)、「主演二人の完璧なコンビが、爆笑と感動を生む」(ザ・ガーディアン紙)など、メディアがこぞって絶賛したように、本作の見どころのひとつは実生活でも親友同士の二人の息がぴったりとあった演技です。

犯罪行為が日常茶飯事のロサンゼルスの悪評高い地域で生きる二人のトランスジェンダーの怒涛の1日を描いた『タンジェリン』。主人公シンディと友人のアレクサンドラを演じるのが、実際にその地域でトランスジェンダーとして生きるキタナ・キキ・ロドリゲスとマイヤ・テイラーです。

画像: フランシス・フォード・コッポラも、ギレルモ・デル・トロも賛辞!トランスジェンダー女優が映画史に刻んだ快挙!『タンジェリン』

映画のリサーチ中だったショーン・ベイカー監督は、LGBTQセンターでアフリカ系アメリカ人のマイヤを見かけ、彼女が持つ特別なオーラに惹かれて思わず声をかけたと言います。さらにベイカー監督は、彼女からキキを紹介され、正反対の性格ながら強い友情で結ばれた二人が一緒にいる姿を見た瞬間、完璧な主演コンビになると確信、すぐさま出演のオファーをしました。

これまでにもトランスジェンダーの役は多くの俳優に演じられてきましたが、実際のトランスジェンダーがその役を演じることは稀なこと。複雑な役を演じ上げ、妖艶な歌声も披露したマイヤは、初演技ながらその演技力が高く評価され、今年初頭におこなわれたインディペンデント・スピリット賞の助演女優賞、ゴッサム・アワードのブレイクスルー俳優賞、サンフランシスコ映画批評家協会賞助演女優賞をはじめ、数多くの映画賞を受賞。トランスジェンダーの俳優が主要映画賞を受賞するという史上初の快挙を果たしました。
本作への出演をきっかけに歌手志望から役者への転向を決意し、今後の活躍が益々期待されます。

画像: マイヤ・テイラー

マイヤ・テイラー

同じく本作が初演技のキキも、インディペンデント・スピリット賞にて『キャロル』のケイト・ブランシェットや『ルーム』のブリー・ラーソンら錚々たるアカデミー賞受賞女優たちと並んで主演女優賞にノミネートされるなど、まったく無名だったトランスジェンダーの二人の女優が一大センセーションを巻き起こしたのです。

画像: キタナ・キキ・ロドリゲス

キタナ・キキ・ロドリゲス

撮影当初、二人は監督にその地域で働く女性たちの厳しい現実をありのままに伝えてほしいと頼みました。また、映画がリアルであることと同じぐらい彼女たちにとって重要な条件は、彼女たち自身が観て大笑いできる映画であるということでした。そこでベイカー監督は、それまでの撮影スタイルを変え、主人公たちのカオスな日常に観客たちを巻き込むような手法を模索しました。そこにiPhoneならではの機動性と自在なカメラワークが功を奏し、彼女たちの迸るエネルギーと生きるパワーを生々しく捉えることに成功。二人が繰り出すFワード満載の痛快なマシンガントークと絶妙な掛け合いが刺激的な爆笑コメディーが完成しました。映画史に歴史を刻んだ、新時代のトランスジェンダー俳優の活躍にぜひ、注目ください!

画像: 『タンジェリン』予告 - YouTube youtu.be

『タンジェリン』予告 - YouTube

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監督/共同脚本/共同撮影/編集:ショーン・ベイカー 
共同脚本:クリス・バーゴッチ
共同撮影:ラディウム・チャン 
製作総指揮:マーク・デュプラス、ジェイ・デュプラス
出演:キタナ・キキ・ロドリゲス、マイヤ・テイラー、カレン・カラグリアン、ミッキー・オヘイガン、アラ・トゥマニアン、ジェームズ・ランソン
配給・宣伝:ミッドシップ
2015年/アメリカ/英語・アルメニア語/88分/カラー/シネスコ/原題:Tangerine

2017年1月下旬より渋谷シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開

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