おなじみの海外サイト「test of cinema」で、面白いランキングがありました。確かにこういう評価もあるのかもしれませんね。
1位は、アンディ・ウォーホルは、それこそ撮りっぱなしのコンセプトをそのまま発表し、革新的でした。2位はあまりに有名なサルバドール・ダリとの共作となる『アンダルシアの犬』などのルイス・ブニュエルはなんとなく順当なお二人ですが、3位のスタン・ブラッケージなどは、抽象的で前衛的な映像ですが、ここでの評価は高いようです。
4位のライナー・ヴェルナー・ファスビンダーと6位のマン・レイの間に挟まって堂々5位にランキングされているのは、トッド・ヘインズやガス・ヴァン・サント、ミヒャエル・ハネケらに影響を与えたと言われる女性監督のシャンタル・アケルマンです。
そして、デヴィッド・リンチが7位にきて---これ以下は、ごらんください。
各人の映像の感じがわかる動画等を掲載しております。
1. アンディ・ウォーホル Andy Warhol
2. ルイス・ブニュエル Luis Bunuel
3. スタン・ブラッケージ Stan Brakhage
4. ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー Rainer Werner Fassbinder
5. シャンタル・アケルマン Chantal Akerman
6. マン・レイ Man Ray
7. デヴィッド・リンチ David Lynch
8. デレク・ジャーマン Derek Jarman
9. ケネス・アンガー Kenneth Anger
10. マヤ・デラン Maya Deren
11. ジョナス・メカス Jonas Mekas
12. ジャン・リュック・ゴダール Jean Luc-Godard
13. ダグラス・ゴードン Douglas Gordon
14. ジガ・ヴェルトフ Dziga Vertov
15. マーティン・アーノルド Martin Arnold
8位にデレク・ジャーマン、9位にケネス・アンガーそして、10位にランキングされているマヤ・デレンは前衛の世界では伝説的な作家で、1986年にアメリカ映画協会によってマヤ・デレン賞が設立されています。1961年栄養失調から来る脳内出血のため44歳で亡くなったそうなのですが、彼女の遺灰は日本の富士山に散灰されたという逸話もあります。
11位には、アメリカの実験映画の雄ジョナス・メカスがきて、12位に入っているのがジャン・リュック・ゴダールです。一見、低いランキングに見えますが芸術性とかではなく、あくまで前衛性という視点ですから--。
なお、ジョナス・メカスのサイトでは、彼自身のDialyシリーズの新しい動画がアップされていくみたいなので興味のある方は是非---
13位のダグラス・ゴードンは、現代美術の権威ある英国ターナー賞(96年)、ヴェネツィア・ビエンナーレ Premio 2000(97年 )、続く98年にはヒューゴ・ボス賞を受賞し、現代アートにおける主要な賞を総嘗めにしてきている気鋭の作家で、現存する映像を使うアーティストの最高峰といえる存在です。
14位は、ジガ・ヴェルトフはロシアの作家でドキュメンタリー作品の父とも言われていますが、1929年の『カメラを持った男』で多重露光、ストップモーション、スローモーション、早回し、移動撮影など当時の最先端の撮影技法を多用した先鋭的な作品によって、世界に名を知らしめました。
また、ゴダールなどの監督が一度、商業映画から決別した時期に「ジガ・ヴェルトフ集団」と名乗り活動したことも有名ですが、これも彼の名前からとったものです。
15位にランキングされているマーティン・アーノルドは日本ではほとんど紹介されていませんが、いわゆるファウンドフッテージと呼ばれる引用の手法で、それを、フレーム単位の編集で素材を解体していくという特徴で有名です。ハリウッドの黄金期の作品などを使っています。
ファウンドフッテージ
(他の作家によって制作された既存の映像(フッテージ)を作品の全体または一部に使い、新しく作品を作る手法。使われる映像は劇映画だけでなく、記録映画、教育映画、ポルノ映画、テレビコマーシャル、防犯/監視カメラの映像など、さまざまである。)
と、ざっと15人のアヴァンギャルドの映像作家です。
こういう見方も、面白いですね〜