毎年、最新のドイツ映画の中から選りすぐった秀作を一挙に取り上げるドイツ映画祭「HORIZONTE」が今年も2016年10月15日より4日間開催されることがわかった。
今回の上映では、シネフィルで何回も取り上げて大評判となった桃井かおりも出演する2016年ベルリン国際映画祭で国際アートシアター連盟賞、ハイナー・カーロウ賞受賞した『フクシマ・モナムール』も東京で初の上映もあり、それに伴い監督のドリス・デリエも来日することも確定した。
この期間に、その他にもドイツの著名な監督や俳優が来日し、ゲストによる舞台挨拶を含め、制作関係者を招いてのパネルディスカッションやなどの関連イベントも行われるという。
そして、今年は、会場をTOHOシネマズ 六本木ヒルズに移したことにより、ドイツ映画の最新の主流を迫力の大スクリーンで鑑賞できる企画となったのでチェックですぞ。
上映作品
『フクシマ・モナムール』
(監督:ドリス・デリエ、出演:ロザリー・トーマス、桃井かおり、2016年、108分 ドイツ語・英語、日本語字幕付き)
GRÜSSE AUS FUKUSHIMA
結婚式の直前、式場から逃げ出した若いドイツ人女性マリーは、傷心を抱えて福島への慰問の旅を決心する。被災地の人たちに少しでも明るい気持ちを届けたいと。その試みもうまくいかず落ち込んでいたマリーだが、福島最後の芸者だというサトミという女性と知り合い、帰還困難区域で暮らすことになる。性格が大きく異なる二人の女性の間に、不思議な友情関係が築かれていく。
クリスマスの伝説 ― 4人の若き王たち
(監督:テレーザ・フォン・エルツ、出演:ヤニス・ニーヴェーナー、イェラ・ハーゼ、パウラ・ベーア、モーリッツ・ロイ、クレメンス・シック、2015年、99分、ドイツ語、日本語字幕付き)
4 KÖNIGE
クリスマスイブだというのに、精神科の病棟で過ごさなければならない4人の若者たち。いきどおりとやるせなさを抱えた彼らに、担当医のヴォルフが付き添って、驚きに満ちたクリスマスにしてくれる。決して忘れることのないクリスマスの思い出。
アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男
(監督:ラース・クラウメ、出演:ブルクハルト・クラウスナー、ロナルト・ツェアフェルト、2015年、105分、ドイツ語、日本語字幕付き)
Der Staat gegen Fritz Bauer 日本タイトル『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』
戦後12年、上席検事フリッツ・バウアーはなおナチス政権の犯罪者を探り出し、責任を問おうとする。その目的に向けて、型破りで時には違法な手段に訴えることさえある。しかし、ドイツ政府の高官がバウアーの仕事を邪魔し続ける。
メテオール通り
(監督:アリーヌ・フィシャー、出演:フセイン・エリラキ、オクタイ・イナンシュ・エズデミール、2016年、84分、ドイツ語、日本語字幕付き)
Meteorstrasse
レバノンからの難民、18歳のモハメドはドイツで生活の基盤を築こうとしている。両親はなく、無鉄砲な兄との暮らしで、バイトをしながら職業訓練校の空きを待ち続ける少年は、自分の進むべき方向を探しつつ、「男」であることとはいったい何なのだろうと自問する。
24週間 決断の時
(監督:アンネ・ツォーラ・ベラシェド、出演:ユリア・イェンチ、ビャルネ・メーデル、2016年、102分、ドイツ語、日本語字幕付き)
24 Wochen
コメディアンのアストリッドは、マネージャー兼パートナーのマルクスとの間で二人目の子どもを妊娠中。出生前診断によって赤ちゃんがダウン症と重大な心臓病を抱えることを知ったアストリッドは重い決断に迫られる。赤ちゃんを産むか、後期中絶をするのか?
閉ざされた部屋の嵐
(監督:イザベル・シュテーヴァー、出演:マリア・フルトヴェングラー、メフメト・ゼーゼル、2015年、100分 ドイツ語・英語、日本語字幕付き)
Das Wetter in geschlossenen Räumen
途上国開発援助の職についたドイツ人のドロテアは、周りが戦争中にもかかわらず、プロジェクトに寄付を募るため、高級ホテルでチャリティイベントの開催を重ねる。空しい心の隙間を埋めるため、ドロテアははるかに年下のアレクと麻薬と酒に溺れる過激な夜を過ごすうちに、徐々に状況がエスカレートしてゆく。
アンネの日記
(監督:ハンス・シュタインビヒラー、出演:レア・ファン・アッケン、マルティナ・ゲデック、ウルリヒ・ネーテン、2016年、128分 ドイツ語、日本語字幕付き)
Das Tagebuch der Anne Frank
ごく普通の少女であるアンネはナチス政権から逃がれて、家族とともに隠れ家で生活することになる。13歳の誕生日に日記をプレゼントしてもらったアンネは、日々の体験、希望、夢や恐怖を書き綴る。
ミー・アンド・カミンスキ(英題)
(監督:ヴォルフガング・ベッカー、出演:ダニエル・ブリュ―ル、イェスパー・クリステンゼン、アミラ・カザール、2015年、120分、ドイツ語・日本語字幕付き)
Ich und Kaminski
盲目の老画家マニュエル・カミンスキから伝記を執筆することを依頼された文芸ジャーナリストのセバスチャン・ツェルナーは、それをきっかけに自分自身がブレイクしようと目論む。二人は、マニュエルの少年時代の恋人を探しに北への旅に出かけるが、それは老画家のことよりも、セバスチャンが自分自身のことに気づく旅となったのだった。
≪ドイツ映画祭2016 『HORIZONTE』≫
日 程:2016年 10月15日(土)~19日(水)
会 場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ(東京都港区六本木6-10-2 六本木ヒルズけやき坂コンプレックス内)
入場料1000円(1上映)
チケット購入:www.tohotheater.jp
主 催:東京ドイツ文化センター (TEL:03-3584-3201)
<共催> German Films
<後援> Botschaft der Bundesrepublik Deutschland Tokyo (ドイツ連邦共和国大使館)
<協賛> Mercedes-Benz (メルセデス・ベンツ日本株式会社)
Lufthansa (ルフトハンザドイツ航空)