映画『ミモザの島に消えた母(原題: Boomerang)』

『サラの鍵』の原作者タチアナ・ド・ロネの著書を基に、ある男性が幼いころに経験した母の死の真相と家族の秘密にたどり着くまでを丁寧に綴るヒューマンサスペンス。

画像: 映画『ミモザの島に消えた母(原題: Boomerang)』

30年前の母の死の謎を探る主人公が、家族の悲しい秘密に触れ、再生していくさまを映し出す。
主演は『ムード・インディゴ うたかたの日々』『クリムゾン・リバー』などのローラン・ラフィット。『オーケストラ!』『イングロリアス・バスターズ』などのメラニー・ロランが共演。

登場人物の心理をつぶさに捉える緊張感たっぷりの展開に引き込まれる。101分のこぢんまりした上映時間にも関わらず、驚くほどぎっしりとみっちりと詰まった濃ゆい作品。
ミステリーではあるんだけれど、親子4代にわたる家族の物語でもあるんだね。全編にわたって静かに緊張感が流れ、ひとつ、またひとつと真相がわかっていく展開に魅入って、衝撃的な終盤まで引き込まれっぱなし。見応えたっぷりなんだよね。何ヶ所か演出的な強引さを感じるものの、抑えめな状況説明や少なめの台詞によって、それぞれの登場人物の心境や本心がなかなか掴みにくいんだよね。それがかえってミステリ要素を際立たせてて、緊張感が途切れないんだろうな。

嘘や秘密に覆われた家族の複雑な感情のもつれ、家族だからこそのややこしさを丁寧に描いていて、徐々に秘密が明かされ、終盤に向けて一気に明らかになっていく展開は見事だろう。冒頭の横転事故は印象的で、途中もう一度同じシーンが出てくるんだけれど、終盤の衝撃的なシーンに結びつくんだよね。ハッとさせられた。
メラニー・ロランの飾り気のないナチュラルな感じは可愛かった。髪型もメガネも含めて可愛かった。それにしてもフランスの西海岸に位置し、冬にはミモザの花が咲くことから別名ミモザの島と呼ばれるノアールムーティエ島の孤立した風景は素晴らしいね。引き潮時の数時間だけ本土と島をつなぐ道が現れるんだってよ。風光明媚だねぇ。さらにその後この家族はどうなったんだろう? 気になる、気になる。

シネフィル編集部 あまぴぃ

画像: 映画『ミモザの島に消えた母』予告編 youtu.be

映画『ミモザの島に消えた母』予告編

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