\速報/映画祭「第38回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)」が注目の第一弾企画発表!
【世界縦断プロジェクト】PFF×ベルリン国際映画祭×香港国際映画祭 共同企画
「8ミリ・マッドネス!!~自主映画パンク時代~」
HACHIMIRI MADNESS Japanese indies from the punk years
「PFF ぴあフィルムフェスティバル」は、“映画の新しい才能の発見と育成”“映画の新しい環境づくり”がテーマの映画祭であり、インディペンデント映画の面白さを広く伝えるため、1977年より東京でスタートし、登竜門的な役割を果たす魅力ある映画祭です。
この度、2月開催の第66回ベルリン国際映画祭、3月開催の第40回香港国際映画祭、そして、9月開催の「第38回PFF」の共同プロジェクトとして、石井聰亙(岳龍)、園 子温、塚本晋也、矢口史靖らの8mm作品が2Kにて甦えるという「HACHIMIRI MADNESS Japanese indies from the punk years」(8ミリ・マッドネス!!~自主映画パンク時代~)が企画され、「第38回PFF」でのお披露目が発表されました。
既に上映の終了した、ベルリン、香港、そして、各地で目撃したこの特集に感銘を受けた、台湾、中国、フランス、メキシコ、スペインの映画祭からの上映希望も届き、更に上映の機会が拡がる模様。
ビデオというものがない時代。1932年に、家庭用の記録機器として生まれ、1960年代~80年代にかけてピークを迎えた、8mmフィルムを使うムービーカメラ。一巻10分に満たない8mmフィルムを使って「今、映画館で大ヒットしている映画を超えるような映画をつくる!」、「人々を仰天させる自分にしか出来ない映画をつくる!」、という映画監督への夢と、一種の狂気に溢れた、あの時代の息吹を感じさせるPUNKな作品群は、8mmフィルムフォーマットのままでは、字幕をつけることが不可能で、海外での上映機会を持つことができませんでした。しかし時代はデジタル。8mm映画の持つ圧倒的な熱量を、デジタルフォーマットに移し替え、字幕をつけて紹介することが可能となったということです。今回の上映でも、英語字幕付き上映を行うそうです。
是非この機会に、自主映画の原点であり、最高にPUNKな8mm映画を体感して頂ければと思います!
開催情報
日程:2016年9月10日(土)~23日(金)
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター(京橋)*月曜休館
本企画作品詳細情報
『1/880000の孤独』 (1977年/カラー/43分)
監督:石井聰亙(岳龍) 『蜜のあわれ』 『狂い咲きサンダーロード』
東京の片隅で孤独な毎日を送る、冴えない浪人生。勉強には集中できず、疎外感と劣等感と性欲にまみれた日々のなか、その鬱屈が、突如、なんの前触れもなく爆発する。救いのかけらもない衝撃の結末で観る者を凍らせる問題作。自主映画界の革命児であり14年ぶりのロック映画『ソレダケ/that's it』(15年)が大絶賛された石井監督、原点の1作。
『UNK』 (1979年/カラー/15分)
監督:手塚 眞 『ブラックキス』 『白痴』
空飛ぶ円盤にさらわれた少女が宇宙人の都市へと連れられていく。『未知との遭遇』へのオマージュとして、前年の第1作『FANTASTIC★PARTY』が大島渚監督から絶賛された手塚監督が高校2年生のときに手掛けた第2作。出演以外のすべてを手塚監督ひとりでこなし、実験的手法と特殊撮影がテンポよく融合、8mmの可能性にチャレンジした意欲作。
【1979年PFF入選作品】*PFFは1988年よりコンペティション制となり、各賞が設置されました。
『HIGH-SCHOOL-TERROR』 1979年/カラー/6分
監督:手塚 眞
放課後の教室に残る2人の女子高生。やがて夜になり、ひとりがホラー映画そこのけのいたずらを仕掛けると…。手塚監督が高校卒業目前に短期間で撮ったホラー映画の習作は、撮影技法や演出力においても優れ、すこぶる怖い8mm作品として全国で自主上映された。1990年代後半に映画やドラマで人気を集めた『学校の怪談』の先駆けとも言える作品。
【1981年PFF入選作品】*PFFは1988年よりコンペティション制となり、各賞が設置されました。
『東京白菜関K者』 1980年/カラー/59分
監督:緒方 明 『友だちと歩こう』 『いつか読書する日』
ある朝起きたら白菜に変身していた男、K。街へ出た彼はさまざまな事件に巻き込まれ、追い回される。カフカを下敷きにしながらも、心理描写や文学性とは無縁にひたすら街を疾走するKをとらえ、新感覚アクション映画が生まれた驚愕!世界が感動した結末!当時石井聰亙監督の助監督として活躍した緒方監督のもとに集結する映画人の多彩さにも注目!
【1981年PFF入選作品】*PFFは1988年よりコンペティション制となり、各賞が設置されました。
『聖テロリズム』 1980年/カラー/127分
監督:山本政志 『水の声を聞く』 『闇のカーニバル』
とあるマンションの住人たち。無差別殺人を繰り返す男。通り魔的殺人を繰り返す裕福な少女。天体マニアの管理人。貯水タンクに浮かぶ独り言の多い死体。右翼らしい集団。次から次に登場する異様な登場人物たちを同時進行で描く、過激にぶっとんだ衝撃作。この直後に発表した『闇のカーニバル』(82年)で世界を震撼させた山本監督の、幻の傑作だ。
『はなされるGANG』 1984年/カラー/85分
監督:諏訪敦彦 『ユキとニナ』 『M/OTHER』
耳の聞こえないギャング・加村と、文庫本を読む少女・理恵が、これから始まる物語についてまず語り、それから逃走劇と銃撃戦が展開。章立ての字幕が挿入され、撮影された日付が記され、残り時間を知らせるセリフが入る。ゴダールの影響を受けたという本作には、ドラマの虚構性について考察しつづける諏訪監督の本質が詰まっている。
【1985年PFF入選作品】*PFFは1988年よりコンペティション制となり、各賞が設置されました。
『俺は園子温だ!!』 1984年/カラー/37分
監督:園 子温 『ひそひそ星』 『新宿スワン』
自分の誕生日までの3週間、暗い室内でカメラに向かって呟きを繰り返す自撮りシーンから、一転、カメラは突然走り出し、22歳の園子温は奇声を発し、自分の髪を剃る。映画という媒体を利用して、自身の存在証明を過激に追求する一方、映画の存在そのものにも鋭く迫る。既存の映画のルールを壊し続けてきた園監督の創作エネルギーがここに凝縮。
【1986年PFF入選作品】*PFFは1988年よりコンペティション制となり、各賞が設置されました。
『男の花道』 1986年/カラー/111分
監督:園 子温
第1部は、東京を舞台に明確な理由もなく主人公は怒り狂いながら男たちから逃げ回る。第2部は、一転、東京で一旗あげたいと思いつつ地方都市で悶々と過ごす主人公が家を出て行くまでを、静謐に描く。家と家族を断ち切れない作者の心の叫びが痛烈に響く。本作が劇場映画デビュー作『自転車吐息』につながり、園監督の「花道」への第一歩となった。
【1987年PFF入選作品】*PFFは1988年よりコンペティション制となり、各賞が設置されました。
『愛の街角2丁目3番地』 1986年/カラー/93分
監督:平野勝之 『青春100キロ』 『監督失格』
マサヒロとヨーコはふとしたことで喧嘩別れ。マサヒロはオカマになろうとし、ヨーコは乞食の仲間になる。原作は大友克洋の漫画だが、過激な即興的手法により途中から物語要素は放棄され、生身の人間たちによる狂騒がえんえん続く。虚構と現実のはざまのカオスから生まれ出てくる陶酔感が麻薬のように観客を引きこみ、大島渚監督に大絶賛された。
【1987年PFF入選作品】*PFFは1988年よりコンペティション制となり、各賞が設置されました。
『電柱小僧の冒険』 1988年/カラー/45分
監督:塚本晋也 『野火』『鉄男』
背中に電柱が生えて、いじめられてきた学生が、ひょんなことから25年後にタイムスリップ、人類を支配しようとする鉄の吸血鬼軍団と戦うことに。アニメーションの手法を駆使したスピーディーな演出が度胆を抜く圧倒的なパワーの本作製作当時、塚本監督はCMディレクターをしつつ劇団も主宰。翌年、伝説のカルト映画『鉄男』で世界にその名を知らしめる。
【PFFアワード1988グランプリ作品】
『雨女』 1990年/カラー/72分
監督:矢口史靖 『WOOD JOB!』 『ウォーターボーイズ』
降りしきる雨のなか、貧乏暮らしの女2人はスーパーマーケットを襲い、キャベツ畑を荒らし、牛をも殺す。ドキュメンタリー、B級ホラー、前衛映画と、ジャンルを混在させ、他者に構わず暴走する2人とともに映画は驚異の疾走をみせる。大学生時代の2年半をかけて本作を完成させた矢口監督は、その後日本を代表するエンターテインメント映画監督となった。
【PFFアワード1990グランプリ作品】