映画『フラワーショウ!(原題: Dare to Be Wild)』
100年以上の歴史を誇るイギリスのガーデニングの世界大会「チェルシー・フラワーショー」を舞台に、失意の女性がベストを尽くして夢にチャレンジする姿を描くサクセスストーリーで人間ドラマ。
型破りなアプローチでフラワーショーの歴史を塗り替えた実在の景観デザイナー、メアリー・レイノルズをモデルに一流の園芸家たちが技を競い合う中、コネも金も地位もない主人公が知恵を絞って美しい庭を作り出していく様など夢にも恋にも全力でぶつかるヒロインの姿を描き出す。
主演を務めるのは、テレビドラマ「シェイムレス」シリーズなどのエマ・グリーンウェル。雑草のようにたくましいヒロインの前向きな姿勢に元気をもらう。
癒されるなあ、ハートウォーミングだなあ。いやぁ、ガーデニングをテーマにした作品って珍しいよね。アイルランドの緑や広大な風景、太陽の光にキラキラと輝く花や草や木、さらにエチオピアの雄大な風景や岩窟教会群、そしてフラワーショーで主人公が作った「ケルトの聖域」という庭…。大自然のシーンが多い映像が何よりもまず素晴らしい。思わず深呼吸したくなるほど。
物語としては実話ベースということで結末はわかってるんだけれどね。なかなかどうして上手にボクたちを“幸せ”や“感動”の方向に連れて行ってくれるんだ。
主人公のキャラクタが魅力的なんだよね。信念や情熱を持って夢に向かって突き進むパワーや、彼女を取り巻く人々と織り成す物語も暑苦しくなく描かれていて、いつの間にかボクら観客も彼女を応援するようになってるんだよね。
最先端のデザインを競い合うフラワーショーに500種類以上の野草と樹齢200年のサンザシ8本と40トンの石材という型破りな(?)庭で挑む展開も、幼い頃から自然の力を感じ続け、自然の美しさで世界を変えたいという想いが丁寧に描かれてるお陰で“型破り”どころか、トキメキとともに見守ることができた。
夢を持つって素晴らしいなあ、夢に向かって真っ直ぐに進んでいくことって素晴らしいなあ、そんな想いが静かに沸々と全身に染み渡るアイルランドの作品。
シネフィル編集部 あまぴぃ