アメリカのスラプスティック・コメディとは一味違う、イギリスらしいすっとぼけたテイストのコメディが楽しめるのが、4月に公開される「ミラクル・ニール!」だ。

 銀河系の遥か彼方に地球の宇宙探査機がたどりついた。これをきっかけに強大なパワーを持つ異星人たちが、地球の処遇を検討することになった。だが、初めに結論ありきで、すぐに下等惑星と見なして破壊が適当となる。ただし、一度だけはチャンスを与えなければならないというルールがあり、無作為に選ばれた地球人に全知全能のパワーを与え、その人物の反応を見て判断することになった。もっとも、これまでに一度も破壊命令がひるがえったことはないのだが。

画像1: (C) 2015 Anything Absolutely Ltd All Rights Reserved

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 かくして選ばれたのが、愛犬デニスと暮らす平凡な学校教師ニール。いわゆる熱血教師とは正反対のずぼらな性格の持ち主で、事なかれ主義のテキトー男である。同じアパートに住むキャサリンに惹かれているが、この恋は実りそうもない。学校の同僚で、インド系のレイに生徒のことを愚痴り、「俺のクラスを破壊して欲しいよ」と冗談を言ったら、本当に宇宙から光線が飛来してクラスは破壊され、生徒は全員死亡してしまう。

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 右手を動かしながら言うと、言ったことが実現するという、自分の超能力に気づいた彼は、いろんなことを試してみる。デニスのしたウンチに「消えろ」というと、なんとウンチは自ら歩いてトイレに消えていった。生徒の死亡は自分のせいだと知り、「死人よ、生き返れ」と言うと、墓場から続々と死人が出てきて、ゾンビが街をうめつくすことに。「キャサリンが自分を好きになるように」と言ってみると、さっそく彼女が彼の部屋にやってきた。

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 デニスにしゃべる能力を与えたら、とんでもないことになり、キャサリンの元彼で超サイコなアメリカ軍人グラントがまとわりついたりと、雪球が坂をころがるように、話のスケールと不条理さは大きくなっていく。テキトー男がスーパーパワーの持ち主という設定の面白さ、犬が痛烈な言葉を吐いたりといった逆転のおかしさ、人を食ったストーリー展開が秀抜。

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モンティ・パイソンといえば、イギリスのコメディ史に強烈な足跡を残したコメディ・ユニットだが、監督・脚本をつとめたのはメンバーの一人で、「未来世紀ブラジル」(こちらはSFでも、シュールなディストピアものだったが)を手がけたテリー・ジョーンズ。彼と残りのメンバーが銀河系の彼方にいる異星人たちの声を演じていた。またデニスの声を吹き込んだのは、ロビン・ウィリアムズで、彼の最後の作品となった。
 映画の成功に大きく寄与したのが、ニールを演じたサイモン・ペッグ。脚本を手がけた主演作「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004)で注目され、「宇宙人ポール」(10)、「ワールズ・エンド 酔っばらいが世界を救う」(13)とコメディSFジャンルを得意としている。キャサリン役には「アンダーワールド」シリーズの主演で知られるケイト・ベッキンセールが扮している。

北島晃弘

北島明弘
長崎県佐世保市生まれ。大学ではジャーナリズムを専攻し、1974年から十五年間、映画雑誌「キネマ旬報」や映画書籍の編集に携わる。
大好きなSF、ミステリー関係の映画について、さまざまな雑誌や書籍に執筆。著書に「世界SF映画全史」(愛育社)、「世界ミステリー映画大全」(愛育社)、「アメリカ映画100年帝国」(近代映画社)、訳書に「フレッド・ジンネマン自伝」(キネマ旬報社)などがある。

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■イントロダクション
もしも何でも願いが叶うとしたら?
コメディ界のレジェンドたちが贈る英国コメディ誕生!
右手を振るだけで何でも願いが叶う不思議な力。そんな全人類が憧れるミラクルパワーを手に入れた超テキトー男・ニールが、そのパワーで喋れるようになった愛犬デニスと地球の危機を救う!?そんなハチャメチャなミラクルムービーにコメディ界のレジェンドたちが大集合!英国の伝説的グループ「モンティ・パイソン」のメンバーが、監督(テリー・ジョーンズ)&声優で出演!さらに、彼らの大ファンで今やハリウッドスターのサイモン・ペッグが熱望し出演!さらになんと、故ロビン・ウィリアムズがまさかの愛犬役で最後の出演を果たし、超豪華コメディスター奇跡の共演が実現した!
■ストーリー
地球の運命は超テキトー男とその愛犬に託された!?
はるか銀河系の先の先―。そこではエイリアンたちが地球滅亡を企んでいた。しかし銀河法でどんな星も一度は存亡のチャンスを与えるべきと定められている為、超テキトーに地球人をひとり選んで地球の運命を預けることになった―。知らぬ間に地球の運命を背負わされたロンドンの教師・ニールは全知全能の力を手に入れる。しかし、そのパワーですることいえば、愛犬のデニスとお喋りをしたり、死んだ人間をすべて生き返らせたりとロクなことに使わなかった。果たしてニールは地球の運命を変えられるのか!?あるいは、くだらないことを繰り返し、人類はこのまま終末を迎えてしまうのか!?
■ミラクルな共演者紹介
●モンティ・パイソン
知的かつシュールな破壊力で時代に風穴を開けた、コメディ界のビートルズ
コメディ界のビートルズと崇められる「モンティ・パイソン」の現存メンバーがボイス・アクターとして全員集合!とうに70歳を越えた彼らが、なおも名調子で映画を支えてくれる様は、コメディ好きにとってまさに神の降臨にも等しい瞬間と言えるだろう。
●サイモン・ペッグ
低予算から超大作まで快進撃を続けるコメディ新時代の旗手
宇宙人の気まぐれによってミラクルパワーを授けられた中年男・ニールを演じるのは、『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』などの英国コメディで名を馳せ、さらに『ミッション:インポッシブル』といったハリウッド超大作でもお馴染みのサイモン・ペッグ。オジサンなのにどこかキュートで愛おしいそのキャラクターがパワーを持て余して右往左往する姿がもう、おかしくてたまらない!
●ロビン・ウィリアムズ
すべての人を笑顔にする、コメディ界の太陽
いざ主人公が「自分の愛犬とお喋りしたい!」と願う時、そこには’14年に急逝したロビン・ウィリアムズの吹き込んだ声が活き活きと響き渡る! ロビン特有の天真爛漫なキャラクターに思わず笑顔があふれつつ、エンドクレジットでは彼の喪失を想い「ロビン、ありがとう」と呟かずにいられない。
<以下クレジット情報>
■タイトル
ミラクル・ニール!
■公開表記
4月2日(土)渋谷シネクイントにて先行公開、4月9日(土)新宿バルト9ほか全国公開!
■コピーライト
(C) 2015 Anything Absolutely Ltd All Rights Reserved
■キャスト・スタッフ
監督:テリー・ジョーンズ
出演:
サイモン・ペッグ:「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」、「宇宙人ポール」
ケイト・ベッキンセール:「アンダー・ワールド」シリーズ
ロビン・ウィリアムズ(声の出演):「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」
モンティ・パイソン(声の出演)[テリー・ギリアム/ジョン・クリーズ/エリック・アイドル/マイケル・ペイリン/テリー・ジョーンズ]
2015/イギリス/英語/85分/シネスコ/カラー/原題:ABSOLUTELY ANYTHING
提供:パルコ、ハピネット、シンカ 配給:シンカ 宣伝:CAMDEN
■公式サイト:miracle-neil.jp
Facebook:www.facebook.com/MiracleNeil
Twitter:@MiracleNeilJP
Instagram:MiracleNeilJP

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