国際交流基金アジアセンターは、京都大学東南アジア研究所と共に、「Visual Documentary Project 2015」 を開催します。
本プロジェクトでは、東南アジアと日本の映像作家が制作する短編ドキュメンタリーを募集し、作品上映を通して東南アジア地域の現状を捉え、諸問題の解決へとつなげる試みを行っています。
2015 年のテーマは「越境する東南アジア」
現在のグローバル社会において、東南アジアの「人の移動」は、多くの影響や問題を含んでいます。今回は「越 境する東南アジア」と題し、人の移動をテーマに、東南アジアと日本の 12 カ国から短編ドキュメンタリー映画 を募集し、各国から様々な切り口と視点でテーマに迫る約 50 の優れた作品が集まりました。
上映作品選考には、カンヌ映画祭ある視点部門で監督作品がグランプリを受賞するなど、ドキュメンタリー映画 を中心に国際的に高い評価を受けているカンボジアの巨匠・リティ・パン監督も参加!
選考委員によって公募作 品の中から厳選された入選5作品を、京都と東京で上映致します。
上映会は参加無料、フレッシュな東南アジアの映画監督たちと映画専門家とのディスカッションも同時開催!
上映会は東京と京都の 2 会場で開催し、入選 5 作品の上映にあわせて入選作品の監督が来日。
コメンテー ターの日本映画大学教授の石坂健治氏、山形国際ドキュメンタリー映画祭・東京事務局の若井真木子氏を 交えてトーク・ディスカッションを行い、監督たちが何を考え制作したのか、制作動機や作品の背景に迫 ります。
映画鑑賞とあわせて、ぜひこの機会にご参加ください。上映会は参加無料で予約不要、日英通訳 と日英字幕付き。東京会場では、上映会とディスカッション終了後に、監督や制作者と直接話せる機会と して、誰でも参加可能なレセプションを予定しています。
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東南アジアの今を知る!
東南アジアの短編ドキュメンタリー映画上映会
「Visual Documentary Project 2015」 3 月 23 日(水)、25 日(金)開催
▼ 上映作品
新政権誕生で劇的に変わりゆく国ミャンマーの今を捉える 2 作品を上映
★アウンサンスーチーのボディーガードは今
「A Political Life」(邦題:我が政治人生)
監督:Soe Arkar Htun 撮影地:ミャンマー
ストーリー:ユー・ティン・ソーは、若かりし頃にアウンサンスーチーのボディガードとして自らの青春 を捧げ、政治活動に勤しんできた。長い間苦労をかけた妻と家族のために、政治活動から身を引くことを 決断するが、それでも地元の人からの相談事は断れずに、法律相談にのってしまうのであった。(20 分)
★敵にも味方にも、戦傷者に義足を作り続ける男
「My Leg」(邦題:私の足)
監督:Khon Soe Moe Aung 撮影地:ミャンマー
ストーリー:ミャンマーのカヤー州では、60 年にわたり異なる民族の武装勢力が独立を求めてミャンマー 軍と戦ってきた。敵味方の区別なく、年間約 100 足の義足を退役軍人たちに提供している退役軍人による 義足の作業場に焦点を当てる。(16 分)
★難民や移民問題、その渦中で公にされることの少なかった人々の日常生活を映した 3 作品
「Michael’s」
(邦題:2 人のマイケル)
監督:Kunnawut Boonreak 撮影地:タイ
ストーリー:同じミャンマーのヤカイン州出身のロヒンギャであり、 マイケルという名前の 2 人。経済的な状況も育ってきた環境も異なる 2 人は、それぞれの生活に苦労しながらも自らのロヒンギャとしての アイデンティティを保とうと奮闘する。(29 分)
Dedicated to Grandpa Dieu
(邦題 ジウおじいちゃんへ捧ぐ)
監督:Hien Anh Nguyen 撮影地:ベトナム
ストーリー:祖父は 1960 年代半ばに国連難民高等弁務官事務所でフ リーランスの通訳者として働いていた野心家で、懸命に好きな本を翻 訳してきたが、それを出版しようと試みたことは一度もなかった。(23 分)
「Fragile」
(邦題:儚さ) 監督:Bebbra Mailin 撮影地:マレーシア
ストーリー:マレーシアのサバ州に住むインドネシア人家族の生活を、 厳しい生活の中でも、歌手になるという夢を持ち続ける 12 歳の少女 ニルワナの視点から描く。(9 分)