日本における抽象美術の父にして木版画近代化の立役者、そして時代に先駆けたマルチクリエイター恩地孝四郎、過去最大規模の回顧展が2月28日まで東京国立近代美術館で開催されています。日本で最初の抽象表現《抒情『あかるい時』》はもちろん、海外美術館所蔵の重要作62点を含む約400点を一挙公開します。

画像: 《抒情『あかるい時』》1915、木版・紙、東京国立近代美術館

《抒情『あかるい時』》1915、木版・紙、東京国立近代美術館

日本における抽象美術の先駆者であり木版画近代化の立役者でもある恩地孝四郎(1891-1955)の、20年ぶり3回目、東京国立近代美術館では実に40年ぶりとなる回顧展です。この間、恩地孝四郎の展覧会が開催されなかったのは、彼を最初に評価したのが日本を訪れた外国人達であり、重要作品の多くが海外に渡ってしまっていたからです。

本展では、海外所蔵館(大英博物館・シカゴ美術館・ボストン美術館・ホノルル美術館)の多大な協力のもと、木版画を中心に、油彩、水彩・素描、写真、ブックデザインなど、彼の領域横断的な活動を観ることができます。

画像: 《あるヴァイオリニストの印象(諏訪根自子像)》1946、木版・紙、東京国立近代美術館

《あるヴァイオリニストの印象(諏訪根自子像)》1946、木版・紙、東京国立近代美術館

画像: 《音楽作品による抒情 No.4 山田耕筰「日本風な影絵」の内「おやすみ」》1933[1935]、木版・紙、ボストン美術館 Museum of Fine Arts, Boston, Gift of L. Aaron Lebowich, 49.737

《音楽作品による抒情 No.4 山田耕筰「日本風な影絵」の内「おやすみ」》1933[1935]、木版・紙、ボストン美術館 Museum of Fine Arts, Boston, Gift of L. Aaron Lebowich, 49.737

画像: 《裸膚白布》1928、木版・紙、ドゥファミリィ美術館

《裸膚白布》1928、木版・紙、ドゥファミリィ美術館

恩地孝四郎は10代で竹久夢二に私淑し、1914年に東京美術学校に通う田中恭吉・藤森静雄とともに木版画と詩の同人誌『月映』を創刊、表現者の道を歩み始めました。また装幀家としても人気が高く、萩原朔太郎詩集『月に吠える』や室生犀星詩集『愛の詩集』などに恩地の活躍を見ることができます。

恩地は抽象美術がまだその名を持たなかった頃、心の内側を表現することに生涯をかけた人物です。彼の創作領域は一般に良く知られ評価の高い木版画のみならず、油彩、水彩・素描、写真、ブックデザイン、果ては詩作に及ぶ広大なもので、まるで現代のマルチクリエイターのような活躍がうかがえます。おそらく、学生の方達や20代の観覧者の皆さんは実物を初めて観るのではないかと思われ、新鮮な驚きがあることでしょう。

画像: 《自画像(ブルーズ)》1919頃、油彩・キャンバス、東京都現代美術館

《自画像(ブルーズ)》1919頃、油彩・キャンバス、東京都現代美術館

画像: 《オバタマムシ(『博物志』)》1938-42頃、ゼラチン・シルバー・プリント、東京国立近代美術館

《オバタマムシ(『博物志』)》1938-42頃、ゼラチン・シルバー・プリント、東京国立近代美術館

画像: 《音楽作品による抒情 ドビュッシー「金色の魚」》1936、木版・紙、養清堂画廊

《音楽作品による抒情 ドビュッシー「金色の魚」》1936、木版・紙、養清堂画廊

画像: 《リリック No.21 かげのある心情》1952、紙版・紙、ドゥファミリィ美術館

《リリック No.21 かげのある心情》1952、紙版・紙、ドゥファミリィ美術館

開催概要

恩地孝四郎展
会場: 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
会期: 2016年1月13日(水)~2016年2月28日(日)
開館時間: 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
※入館は閉館30分前まで
休館日: 月曜日
観覧料: 一般1,000(800)円
大学生500(400)円
※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込。
※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料。それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。

主催: 東京国立近代美術館
和歌山県立近代美術館
東京新聞
美術館へのアクセス: 東京メトロ東西線竹橋駅 1b出口より徒歩3分
〒102-8322 千代田区北の丸公園3-1

関連イベント

◼︎ギャラリートーク
松本透(東京国立近代美術館副館長・本展企画者)
2016 年2 月12 日(金) 18:00-19:00
場所:1階企画展ギャラリー
*申込不要、要観覧券

◼︎講演会
・1月30日(土)14:00-15:30 (開場:13:30)
「恩地孝四郎の版画芸術―実験の軌跡」
桑原規子(聖徳大学文学部教授)

・2月14日(日)14:00-15:30 (開場:13:30)
(タイトル未定)
山口啓介(現代作家)
※聞き手・松本透(当館副館長・本展企画者)

講堂(地下1階)にて・聴講無料(先着140名)・申込不要  ※両日とも

シネフィル チケットプレゼント
ご提供組数 5組10名様

下記の必要事項、読者アンケートをご記入の上、「恩地孝四郎展」チケットプレゼント係宛てに、メイルでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、記名ご本人様のみ有効の、チケットをプレゼントいたします。
チケットは、非売品です。
転売業者などに入手されるのを防止するため、ご入場時他に当選者名簿との照会で、公的身分証明書でのご本人確認をお願いすることがあります。
☆応募先メイルアドレス
info@miramiru.tokyo
応募締め切りは2016年2月7日 日曜日
記載内容
☆1、氏名 
☆2、年齢
☆3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
☆4、ご連絡先メイルアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名(複数回答可)
6、読んでみたい執筆者(複数回答可)
7、連載で、面白いと思われるもの(複数回答可)
8、連載で、面白くないと思われるもの(複数回答可)
9、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。
また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

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