シネフィル映画短評第154回『クリムゾン・ピーク』

2016-01-24

映画『クリムゾン・ピーク(原題: Crimson Peak)』

『パシフィック・リム』『パンズ・ラビリンス』などの鬼才ギレルモ・デル・トロが放つミステリーホラー。クリムゾン・ピークと呼ばれる屋敷で生活する女性が、次々と出現する亡霊たちに導かれるようにして同地に隠された恐ろしい秘密に近づいていく。

『アリス・イン・ワンダーランド』などのミア・ワシコウスカ、『アベンジャーズ』などのトム・ヒドルストン、『ゼロ・ダーク・サーティ』などのジェシカ・チャステインなど実力派の注目俳優が結集。謎と恐怖が交錯する物語に加え、ダークでありながら美麗なビジュアルにも引き込まれる。ギレルモ・デル・トロ版の“ホーンテッド・マンション”か!?!? 美術に凝りに凝りまくった昼メロか!?!? いやあ、いろいろ素晴らしいけれど、キャスティングが秀逸かしらね。ゴシック・ロマンスとでも言おうか、古典的なラブ・ストーリーなんだけれど、まあ、衣裳(特にドレス!!)やら美術やらセット(特にお屋敷!!)やらが完璧に美しく豪華絢爛で、映像はまるで絵画のようなんだよね。いやあ、素晴らしいのよ、ホント。そんな中、美男美女な 3人は監督が作り上げるダークファンタジーな世界観にピッタリで物語全体を魅力的なものにもしているんだよね。ドレスなど衣裳もとっても似合ってるしさ。ミア・ワシコウスカはこういう役にハマるよね。メガネ姿もカワイイ。トム・ヒドルストンはここでもダメな弟っぷり全開(笑)。ジェシカ・チャステインも魔女っぽくって妖艶で怪演だよね。“クリムゾン”に染まる雪景色もとってもキレイで印象的。お化け(?)幽霊(?)亡霊(?)の造作にはツッコミ入れたいどころか唖然としたけどさ(笑)。ラストはどうなのかしら? 笑って良かったんだと思うの。途端にチープな印象⁉︎ ホラーというほどホラーでもなく、ビックリするところも音楽やカメラワークで想像できちゃうのが逆に恐くなくて良かったかな。衣裳や屋敷はじめ映像美に目を奪われておきたいからね。ゾクゾクと楽しめる作品。ギレルモ・デル・トロ好きは満足すること間違いなし。

シネフィル編集部　あまぴぃ