映画『SAINT LAURENT サンローラン(原題: Saint Laurent)』

「モードの帝王」と称され、世界的な知名度を誇るフランスのファッションデザイナー、イヴ・
サンローランの栄光と挫折を、「モンドリアン・ルック」や「スモーキング」で世界的注目を集めた直後の絶頂期である1967年からの10年間に焦点を絞って赤裸々に描いた伝記ドラマ。多忙を極める一方で重圧や孤独に悩む様子や、アルコールや薬への依存やパートナーとの関係といった衝撃的な出来事までをも映し出す。

画像: 映画『SAINT LAURENT サンローラン(原題: Saint Laurent)』

監督は『メゾン ある娼館の記憶』などのベルトラン・ボネロ。『ハンニバル・ライジング』などの実力派美形俳優ギャスパー・ウリエルが主演を務める他、『アデル、ブルーは熱い色』のレア・セドゥー、『ルートヴィヒ』などの名優ヘルムート・バーガー、『最後のマイ・ウェイ』などのジェレミー・レニエ、『ドリーマーズ』のルイ・ガレルら豪華キャストが集結。ギャスパーによるサンローランの成り切りぶりに注目。

これはある意味で衝撃的な作品ではなかろうか。観たことないイヴ・サンローランだよ。
アーティスティックでスタイリッシュ、そしてかなりダークな作品だ。アルコール、ドラッグ、セックス(?)に溺れ、精神的な病(?)、弱み(?)までをも描いて、イヴ・サンローランを“歴史的な大デザイナー”として(だけ)ではなく、“才能に溢れたナイーヴな青年”として思いっきり描いてると思う。

物語は観ていて嫌悪感を感じそうなほど鮮烈でショッキング、そして華麗、派手でありながらも刹那的で退廃的な印象。
色彩や質感にこだわって35ミリフィルムで撮影した映像が最初から最後までずっと美しい。
そもそも画面にはオートクチュールや美術品、調度品はじめ建物も部屋も景色も美しいものしか映ってないんだけどね。音楽もその使い方も素晴らしい。1971年の春夏コレクションと、1976年のバレエ・リュスの制作現場のシーンはリアリティたっぷりで緊張感にも溢れて圧巻。
第40回(2014年)セザール賞最優秀衣装デザイン賞受賞だそうな。モンドリアン風の画面分割で細かいカット割りで見せる1976年のコレクションはスタイリッシュで斬新。それにしてもイロオトコね。仕事のときの真剣な顔とインタビューのときのはにかんだ笑顔とのギャップが良い。151分と長め…。こういう映画を観ると全身UNIQLOの自分を反省するんだよね。トホホ…。

シネフィル編集部 あまぴぃ

「SAINT LAURENT/サンローラン」 本予告

youtu.be

This article is a sponsored article by
''.