映画祭 TAMA CINEMA FORUM 25 周年記念 日仏映画交流企画にて 「ジャック・ドゥミ監督特集」が開催される。
「ジャック・ドゥミ 恋の果てに見る夢」
<特別協力:アンスティチュ・フランセ日本>
戦争のかげで、恋を夢みる。没後 25 年、フランス映画の巨匠ジャック・ドゥミ監督の初長編監督作『ローラ』と、その続編『モデル・ショップ』を上映。
本プログラムでは『シェルブールの雨傘』(1964)などで知られるジャック・ドゥミ監督の初長編監督作『ローラ』(61)と、 その続編『モデル・ショップ』(69)を上映します。
両作ともアヌーク・エーメ演じる“ローラ”というキャラクターが登場。
前者 では、フランスのナントで忘れられない初恋が生む出会いと別れが描かれ、後者では、その後アメリカに渡った彼女が登 場します。戦争が暗い陰を落とすなか、幸せを追い求める若者たちの人間模様が描かれています。
「ヌーヴェルヴァーグの真珠」と称される『ローラ』では、7 年前に街を去った夫を待つ、小さな息子と二人暮らしの踊り 子ローラの姿が描かれています。失業中の幼なじみの男との再会、アメリカ人水兵との出会い、そして別れ。彼らのすれ 違いを瑞々しく切り取った名匠ラウール・クタールによる美しいモノクロ映像は、必見です。
その後ドゥミと何度もコンビを 組むミシェル・ルグランの切ない音楽も魅惑的です。
『モデル・ショップ』では、ベトナム戦争に徴兵される前日を虚ろに過 ごす若者と、夢を求めてアメリカに渡ったローラとのつかの間の交流が描かれています。戦後 70 年、戦争関連の話題が 続くいまの日本で、戦争のかげで幸せを求める彼らの姿はどう映るでしょうか。

『ローラ』(デジタル・リマスター版/日本語字幕付)
1961 年/製作国:フランス/上映時間:85 分
撮影=ラウール・クタール
音楽=ミシェル・ルグラン 歌詞:アニエス・ヴァルダ
出演=アヌーク・エーメ、マルク・ミシェル、ジャック・アルダン他
『モデル・ショップ』(デジタル・リマスター版/日本語字幕付)
1969 年/製作国:フランス/上映時間:92 分
撮影=ミシェル・ユゴー 音楽=ザ・スピリット「Nothing to do and little to say」
出演=アヌーク・エーメ、ゲーリー・ロックウッド、アレクサンドラ・ヘイ他