安藤桃子監督『0.5ミリ』はすでに、多くの映画祭などで評価され、第24回日本映画批評家大賞作品賞、主演女優賞(安藤サクラ、『百円の恋』と合わせての受賞)や、第18回上海国際映画祭ではアジアン・ニュータレントアワード部門最優秀監督賞、優秀作品賞、優秀脚本賞など3部門での受賞もしている。
今回の東京国際映画祭では、JAPAN NOW部門での上映がおこなわれ、全日のレッドカーペットに続き、安藤桃子監督、安藤サクラ姉妹でのトークが開催された。
安藤監督が自らの介護経験をもとに書き下ろした小説を映画化。「どの段階で映画化をイメージしていたのか」と問われた安藤監督は、「原作小説の執筆段階から映画の構想があった」と明かし、「私は、何かを書く時は常に頭に映画がある。今回はそれを小説にして、さらに映画にしたみたいな感じ」と解説する。これに対しサクラは、「でも映画じゃない気もするな」と指摘。サクラが「私たち姉妹は、イメージする世界が先にあって、それを映画や小説にしている気がする」と説明すると、安藤監督も同調していた。
安藤監督は、「原作小説の段階から主人公の山岸サワはサクラをイメージしていた」と告白。司会から「サクラさんをイメージして作ったのはこれが初めてか」と聞かれ、「本作に限らず、大体全部の作品で安藤サクラが私のなかにいる。人形というか、サクラを(頭のなかで)動かすことによって、私の想像力が無限大にまで広がる。1番いい、素敵なお人形です」と妹サクラが創作意欲の源であることを明かした。