1865年に出版されたルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』ーー。
その初映像化がナント、今から112年前につくられていたという。
そして、今また、国立の英国映画協会(BFI)の手によって復元修正され、
YouTubeにアップされた。


『アリス・イン・ワンダーランド』の映像とは、1903年、セシル・ヘプワース監督、メイ・クラーク主演によるイギリス映画『不思議の国のアリス』のことだ。


紙芝居のように展開が切り替わる、無声映画であった12分の映像のうち、8分が修復が完了した。
これでも当時は、英国で一番長いフィルムだったともいう。

また、原作に従い、ジョン・テニエルの挿絵に近いイメージで再現されている。

冒頭から登場する、3月ウサギのあまりの足の短さにはこれでは走れまいと心配になるが、女子的には確実に萌えポイントですね。挿絵の原画に忠実なあまりこんなことになったのだろうけれど、短い足の、歩き方がなんともいえず可愛らしい。もはやウサギとは思えない、よちよち歩きなのだ。

19世紀半ばに出版されて以来、幾度か映画化され、わたしたちを魅了して止まないアリスや、その他の魅力的なキャラクターたちのイメージの原点を、ここにみることができるだろう。
ジョン・テニエルの挿絵が描かれた、その本の中から動き出して、抜け出てきたような、素朴さにあふれたたたずまい、、、。
実際に撮影されたのは、1903年と、20世紀に入っているものの、まだまだ辺りの風景にはのこっていたであろう19世紀の残り香が、画面にそこはかとなく漂うようなところもいい。
この『アリス・イン・ワンダーランド』初映像化作品の、あまりの作為のなさ、可愛らしさに、心をうばわれてしまった!

園田恵子 (シネフィル編集長)

画像: wikipedia

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Alice in Wonderland (1903) - Lewis Carroll | BFI National Archive

Alice in Wonderland (1903) - Lewis Carroll | BFI National Archive

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