この一年間、映画祭や映画館やDVDで、
ハリウッド大作、商業映画、独立自主映画、巨匠の映画、
新人監督の映画、作家性が強い野心作など、ある程度見て来たが、
昨日東京で見た、冨永昌敬監督の最新作「ローリング」ほど、
異彩を放った映画はなかった。
その不思議な魅力は、
全編に漂ったさり気ない親しみやすさと、
色気によるかもしれない。
誰かの紹介や推薦でもなく、たまたま、町中のどこかの劇場に入って、
何の前触れもなく、さりげなく一人で大いに楽しんで、
あたかも大発見したような未知の映画が、
もし世の中に存在するとしたら、
それは「ローリング」に違いない。
6月13日より、新宿K's cinemaほか全国順次ロードショー公開中。
リム・カーワイ 林家威 Lim Kah Waiーー映画監督
1973年、マレーシア・クアラルンプール生まれ。
1998年、大阪大学基礎工学部電気工学科卒業。日本企業にエンジニアとして働いた後、2004年9月に北京電影学院の監督コース入学。『プラスティック・シティ』、『墨攻』、『夜の上海』、『深海尋人』などの撮影に参加。
2010年、北京で『After All These Years』を自主制作し長編デビュー、香港国際映画祭などに公式招待。同年また香港で『マジック・アンド・ロス』を制作、監督し、釜山国際映画祭などに公式招待。現在、中国で撮影した最新作の公開を控える。