とかく、映画のトークイベントだと、お笑い芸人が登場する昨今。
今回『チャイルド44 森に消えた子供たち』のトークイベントが6月24日開催され、そこに登壇したのが、数多くの旅行と放浪を重ねる作家でラジオMCのロバート・ハリスとファッション、音楽プロデュースなどで活躍する藤原ヒロシ。
二人は、時代の先端をいくナビゲーターだけに映画にも、自分の人生に裏付けされた的確なコメントを発言。来場者を納得させていた。
ハリスは、今作を「サスペンスとして面白い。スターリン恐怖政治下で、何が怖いって(猟奇殺人より)国家そのもの」と当時の時代背景に言及。「67年にレニングラード(現サンクト・ペテルブルク)まで旅した」ことがあるだけに、「夜、シベリアの駅に汽車が止まると、自動小銃を持った兵士が立っていて怖かった。『ドクトル・ジバゴ』を読んでいたらKGBに『発禁本だ』と没収され、『レーニン全集』を渡された(笑)」と明かす。
藤原ヒロシは、この発言を受けて
「ソビエトの黒い、ヤバい世界を描いていてズシンと来た」と称賛。
2人は、映画で描かれる言論に対する国家の統制を現代日本にも重ねる。ハリスは「特定秘密保護法が制定された時から、だんだん日本がヤバい方にいっているのを感じる。マスコミの自主規制もひどい」と警鐘を鳴らす。藤原も「その一方で、ネットでの発言力が大きくなり、一般の人が吊し上げられたりする。そのバランスが狂っている」と語った。
映画はトム。ハーディを主演にゲイリー・オールドマン、ノオミ・ラパスらが出演。
製作総指揮は、リドリー・スコット。監督は「デンジャラス・ラン」(12)のダニエル・エスピノーサ。
『チャイルド44 森に消えた子供たち』は7月3日より公開。
「このミステリーがすごい!」海外編第1位!
世界騒然の傑作を、名匠リドリー・スコットが待望の映画化!
犯罪など存在しないこの世の楽園で、
44人の子供の変死体が発見される。
共通の“しるし”をのこして――。
「このミステリーがすごい!」で、2009年海外版第1位に輝いたトム・ロブ・スミスの世界的ベストセラー「チャイルド44」。
実在の事件を基にし、ロシアでは発禁本となった問題作を名匠リドリー・スコット、さらに『ハート・ロッカー』の製作陣が待望の映画化!
1953年、スターリン政権下のソ連で、子供たちの変死体が次々と発見される。
年齢は9歳から14歳、全裸で胃は摘出され、山間にもかかわらず死因は溺死。
だが、“殺人は国家が掲げる思想に反する”ため、すべて事故として処理される。
秘密警察の捜査官レオは親友の息子の死をきっかけに、事件解明に乗り出す。捜査が進むほどに、国家に行く手を阻まれ、さらに、愛する妻にも不当な容疑が。真実が容易に歪められるこの国で、レオは真犯人に辿り着けるのか──?
敵と味方が一瞬で入れ替わり、一瞬たりとも目を離すことができないスリリングな展開。
そしていつからか、極上の心理戦に誘われる――。