映画キャメラマン御木茂則の"再会したい映画" 9『奴らを高く吊るせ!』(テッド・ポスト 68)
『奴らを高く吊るせ!』(テッド・ポスト 68)
『奴らを高く吊るせ!』は、クリント・イーストウッドの監督主演作品『グラン・トリノ』(08)と合わせて観るとさらに面白い作品です。
時代は1880年代のアメリカ・オクラホマ。牛泥棒の濡れ衣を着せられ首吊りで殺されかけた男ジェッド(クリント・イーストウッド)は、保安官になり合法的な復讐を果たしていきます。その過程で起きる応報感情の着地点、そして死刑や司法制度や冤罪の問題から、正義と思われるものの不確かさを描いていきます。
映画の序盤でジェッドの命を救った保安官が、中盤で脱走した囚人を捕まえようか射殺しようか躊躇しているときに、護送車のなかにいる...