唄を通じて「民族」の括りを超えた「ニンゲン」としての普遍性を描く『kapiwとapappo〜アイヌの姉妹の物語〜』公開
アイヌ民族━━。
南の先住民族である琉球民族に比してその存在感はマイナーで一般には誤解も多く、
ともすれば【失われた民族】などといったネガティブなイメージで捉えられがちである。
また、そうでなければ【自然と共生する民族】【すべてを神として敬う】
といったイメージが強調され、美化され偶像化されてもいる。
アイヌ民族を扱った近年のドキュメンタリー映画では『TOKYOアイヌ』(2010年)
が関東に住むアイヌの実情と先住民族としての権利獲得を目指す人々を描き、
『カムイと生きる』(2011年)があるエカシ(長老)のキャラクターを通じて
後者のアイヌ観を描いたといえる。
本作品では前掲の2作とは...