シネフィル新連載「北島博士のおもしろ映画講座」第3回 今どき珍しいモノクロ映画『お盆の弟』
今どき珍しいモノクロ映画を紹介しよう。
大崎章監督自らの体験が織り込まれた「お盆の弟」がそれで、2006年の「キャッチボール屋」以来、十年ぶりとなる作品である。監督の故郷である群馬県の玉村町と、現在自分が住んでいる東京・阿佐ヶ谷でロケ撮影を行ったことが功を奏して、画面に真実らしさが出ていた。
映画監督の渡辺タカシが帰郷し、病気の兄マサルの看病をしながら、映画を撮りたいと奮闘するも、なかなかうまくいかない。映画を撮れないまま、料理の腕だけは上達し、妻からは「私は専業主婦と結婚した覚えはありません」と、離婚届をつきつけられる。
スーパーで食材を買い、神社でおまいりし、帰宅して料理するというマ...