北島博士のおもしろ映画講座 第58回 全国の映画祭で受賞-東京藝術大学大学院映像研究科専攻の西川達郎監督の長編第一作『向こうの家』
東京藝術大学大学院映画専攻の西川達郎が監督した長編第一作で、12期終了作品に当たる。父の若い愛人宅に同居することになった高校二年生男子の夏の日々を描くちょっと変わった青春映画。
完成は18年で、すでに各地の映画祭で上映され、さまざまな賞を受賞し、今回商業公開されることになった。
父に喫茶店まで呼び出された森田萩。「とうさんにはもう一つの家があるんだ。そこに愛人が住んでいる」と思いもよらぬ不倫を告白されたうえ、あろうことか相手の女性に別れ話をしてくれと頼む。我が家は円満、理想の家族と信じ切っている母親だから、母と姉には絶対に内緒だ。真面目タイプの父の相手は向井瞳子といって、妖艶でも、魔性の...