映画作家舩橋淳の「社会の24フレーム」 連載第2回
FRAME #2: 映画と現代に生きる女性
FRAME #2:
映画と現代に生きる女性
昨年に続き、東京有楽町で9日間に渡り開催された東京フィルメックスの上映作品について考えてみたい。スポンサーが代わり開催自体も危ぶまれた今年の同映画祭だが、なんとか新たな協賛を得て、例年通り、いやむしろ例年よりさらに研ぎすまされたクオリティーで、記念すべき第二十回目が開かれた。すべてを網羅出来ないが、今年のコンペティションを中心に見た感想は、現代社会の様々な局面において虐げられた女性を焦点化した作品が多いということだった。
例えば、昨年の傑作「轢き殺された羊(Jinpa)」に続き上映された、チベットの俊英ペマツェテンの新作「気球 Balloon」...