cinefil連載 ART@Kyushu第10回 没後400年記念 雲谷等顔展〜雪舟を継いだ男〜 -cinefil art review
中国の神仙思想と山水表現
山水画は中国の神仙思想から、不老不死の神仙の住処としての山水表現から生み出された古い表現で、永らく、中国や日本での水墨画の題材とされてきました。
神仙思想は紀元前3世紀頃から、民間信仰から中国の山東半島を中心に広がり、秦の始皇帝の泰山の封禅の儀など、中国の皇帝にも深い影響を与えてきました。特に前述の始皇帝や漢の武帝は、神仙思想に傾倒したと伝えられています。
老子の道教に引き継がれた神仙思想は、317年頃に晋の葛洪(かつこう)が著した「抱朴子」には神仙について詳しく記され、後に神仙郷(神仙の住処)が蓬莱のような海上に浮かぶ空想上の山だけでなく、山岳信仰とのつながり...