椿弓里奈の”映画に愛されたバイプレイヤーたち”第7回 貧しさの中の暖かさ 今村昌平監督の『にあんちゃん』
わたしと誕生日が一緒ということもあり、勝手に親近感を持っている今村昌平監督。
唯一カンヌで二度グランプリを受賞したことのある日本人監督でもあります。
この「にあんちゃん」で私は長門裕之さんを知ることになるのですが、当時25歳くらいの長門さんがめちゃくちゃかっこいいんです。どタイプです。
今村監督の初期の作品で、文部大臣賞を受賞したこの作品。
監督本人は健全な映画を撮ったことに反省したと言いますが、懸命に生きる貧しい兄弟や炭鉱の町が繕う事なくリアルに描かれていて私は大好きな作品です。
※本文にはネタバレも含みますのでご注意ください。
あらすじ
物語の舞台は昭和28年の長崎県・鶴ノ鼻炭鉱。炭...