北島博士のおもしろ映画講座 第22回『海すずめ』
「海すずめ」
地方都市を舞台に、そこに住む人々の日常生活と人生をドラマにした映画が、近年増えている。例えば、函館が舞台の「世界から猫が消えたなら」「オーバー・フェンス」「函館珈琲」、能登の岬を背景にした「さいはてにて やさしい香りと待ちながら」、福井県丹南地域と韓国を結ぶ「つむぐもの」、長岡が舞台の「この空の花 長岡花火物語」、新潟県小千谷市が舞台の「おにいちゃんのハナビ」、香川市をバックにした「百年の時計」などなど枚挙に暇がない。
こうしたご当地映画の多くはその土地ならではの特産品、名物の祭りなどを織り込みながら、ドラマが展開する。土地の名士や企業・商店が製作協力者としてクレジットされ...