日本書紀成立1300年 特別展『出雲と大和』@東京国立博物館
今も日本列島は「出雲と大和」の痕跡に溢れている
「出雲」とは、現代の島根県の旧国名だ。だが日本人の文化と歴史の中で、その響きは単なる地名に留まらないミステリアスな何かを帯びて、謎めいたこだまのように時空を超えて広がっている。例えば太陰暦(日本の「旧暦」)の10月は「神無月」と呼ばれたが、これはこのひと月、全国の「八百万」のカミガミが出雲に集まるので、その間は各地の地元のカミ様が留守になるから、である。
「出雲の阿国」が京都・四条河原で始めた「かぶき踊り」が歌舞伎の始まりといわれている。阿国は出雲大社の巫女を名乗っていたが、本当に出雲出身だったのかは不明だ。それでも「出雲」ブランドの神秘性...