椿弓里奈の”映画に愛されたバイプレイヤーたち”第9回 脇役が主役になる映画 黒沢明監督の『どん底』
さーあ、とうとう黒澤明監督がやってきました。
日本が世界に誇る巨匠監督。
この「どん底」はロシアのゴーリキー原作で、映画化は長年の夢だったとか。
「蜘蛛巣城」なんかもそうだけど、外国の原作ものを舞台を日本に置き換え描くのに長けている人だなぁと思います。しかも、ちゃんと作品が持つ根っこの部分は変えずに。
こちらは舞台をロシアから江戸時代の場末の長屋にしていますが、随所に出てくる江戸らしさが粋で、暗くなりすぎずに観ていられる。
そして何と言っても、こんなに豪華な役者陣を揃え、扱えるのがやはり黒澤明監督ならでは!
※本文にはネタバレも含みますのでご注意ください。
あらすじ
舞台は江戸の場末の棟...