ヨーロッパ最大の「名門」「名家」、その栄光と悲劇の遺したもの〜国立西洋美術館「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」
ハプスブルク家。神聖ローマ帝国(のちにオーストリア=ハンガリー二重君主国)皇帝を永らく輩出し、一時はスペイン王家でもあった。
先進的な啓蒙君主としてヨーロッパの「近代」への扉を開いた1人であるマリア・テレジアは今日でもオーストリア史最大の偉人とされ、その娘で悲劇のフランス王妃となったマリー・アントワネットはあまりにも有名だし、最後の皇后エリザベトはジャン・コクトーの戯曲「双頭の鷲」(コクトー自身とミケランジェロ・アントニオーニにより二度映画化)のモデルで、「プリンセス・シシー」としてかつてロミー・シュナイダーの当たり役になり、最近はミュージカル化が人気だったり、というように同家の歴史上の...