北島博士のおもしろ映画講座 第57回 “揺ぎ無い信念を持った元気な女の子の冒険物語”『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』
北極海に消えた祖父を探し求める少女の冒険の旅をユニークな描法で描いた長編2Dアニメーション。古代エジプトの壁画のようなフラットなキャラクター・デザインに、最初は戸惑い、奇異な印象を受けるが、しだいに慣れていき、画面に引き込まれていく。ル・モンド紙は「ジュール・ヴェルヌの冒険譚を読む時の至福の時間のようであった」と評しているが、まさに19世紀らしい温かみを感じさせ、ヴェルヌの作品世界を彷彿とさせる“揺ぎ無い信念を持った元気な女の子の冒険物語”であった。
2015年にフランスで公開され、アヌシー国際アニメーション映画祭でレミ・シャイエが監督賞、東京アニメアワードフェスティバルで作品がグランプ...