北島博士のおもしろ映画講座 第39回 三池崇史監督『ラプラスの魔女』
出す本が決まってベストセラーとなり、映画化されるケースも多い作家と言えば、アメリカならスティーヴン・キング、そして日本では東野圭吾ではないか。
「ラプラスの魔女」は2015年に発表された東野の同名小説を映画化したもので、監督はすでに手掛けた映画が百本を越えている三池崇史、脚本は八津弘幸が執筆している。
映画プロデューサーが温泉地で硫化水素中毒のために死亡した。事故とみられたが、中岡刑事は遺産目当ての妻の犯行ではないかと疑い、地球化学が専門の青江修介教授に現地調査を依頼する。
気象条件が安定しない屋外で、致死量の硫化水素が滞留するわけもなく、青江は殺人説を否定した。その後、別の場所で同じよ...