おしゃべりな映画たち 第15回
『午前4時にパリの夜は明ける』
(2022年/監督・脚本 ミカエル・アース)
『それでも私は生きていく』
(2022年/監督・脚本 ミア・ハンセン=ラブ)
1975年生まれの二人の監督が2022年に撮った「シングルマザー」映画をを見比べます。ミカエル・アース監督は、80年代を背景に描くようです。
『午前4時にパリの夜は明ける』は、開放感あふれる映画だ。夫から捨てられた女性エリザベートは、無防備で、自分が困っているのに、もっと困っている若い女の子タルラに、さっと、手を差し伸べて、拾ってきて同居してしまうし。なんなら、タルラの前でも、かっこ悪い姿を見せるし、なぐさめられたら、さめざめと泣いちゃう。なんと言うか。描いている母親も、その相手となる男性も、子供たちも、全然、優等生じゃないのに、彼ら家族は、その女の子との関係の中で、解放され幸せになって...