イタリア人的、アートとしての老いと死、「グランドフィナーレ」は、もう観たか?
春先に10数年ぶりに好きな映画「甘い生活」を観た。
奇怪な深海魚が打ち上げられてる浜辺のシーンばかりが脳裏に焼き付いていて、ラストの海辺の洲の対岸に佇む見知らぬ少女が無邪気に何か主人公に叫んでいるけど、彼にはそのイノセンスな声は、打ち寄せる波の音でかき消されて全く届かないという皮肉なラストシーンのことは忘れていた。
マストロヤンニ演じる流行小説家になりたかったけれど、結局、道化のように見える芸能記者にしかなれなかった男、マルチェロの天の邪鬼でラビッシュなローマの日々を全否定するような一種の夢落ち的な終焉。
パパラッチという芸能専門のカメラマンへの侮蔑を込めた称号も本作がルーツで元祖のよう...