連載:おしゃべりな映画たち 第12回
『WANDA/ワンダ』(1970年/監督・脚本・主演バーバラ・ローデン)
ここから全てがはじまる
去年、この映画を見てみたのは、アメリカの若手の女性映画監督の「影響受けた映画」リストに、ケリー・ライカート作品なんかと並んで、よく見かけるタイトルであることに気づいたからだ。
信じられないくらい、よかった。ため息が出た。
主演脚本演出は、あのエリア・カザンの妻。『草原の輝き』(1961年/監督エリア・カザン)でウォーレン・ベイティ演じる主人公の姉役で、人工妊娠中絶したが故に、成金で上昇志向の父親から見放されて自暴自棄になる女性の役をめっちゃうまく演じてるあの人だ。
1990年代の日本の個人映画の一部にもあったし、2000年代のアメリカのマンブルコアにもあったのかも...