北島博士のおもしろ映画講座 第54回『ヒョンジェ〜釜山港の兄弟〜』
実の兄弟が長じて法律の両側に位置することになるというアクション映画にありがちな設定の作品。骨肉の争いは少年時代から始まり、今では倒すか倒されるかというギリギリのところまで来ている。互いに敵意をむき出しにしながら、やはり肉親の情がほのみえるといった、べたなメロドラマをてらいもなく織り込んで、観客の心理を盛り上げようとするあたり、韓国映画らしいショウマン・シップである。見るべきは、その語り口と格闘描写のうまさといったところか。ちなみに題名のヒョンジェとは兄弟の意味だ。
事故で両親を亡くして養護施設で育ったデジュとテソンの兄弟。
双子だが二卵性なので顔は似ておらず、性格も生き方も正反対だった。...