北島博士のおもしろ映画講座 第50回 ヒットメーカーJ.J.エイブラムスが仕掛けたハイブリッドな戦争アクション大作『オーヴァーロード』
かつてナチ・ドイツ物というジャンルがあり、盛んに作られていた。
1960-70年代の英米の映画界では、第二次大戦で闘ったドイツを、悪役として描くことが多かったのだ。ホロコースト、電撃作戦による他国占領と、非難される戦争犯罪が目立ち、ドイツにも抗議しがたいムードがあっただろうし、東西ドイツに分裂した基盤の弱さも影響してたのかもしれない。
最近でもナチ・ドイツ物が作られてなかったわけではないが、戦闘シーンを織り込んだ従来型の本数は激減していた。第二次大戦の記憶が薄れ、映画の題材としての絶対悪の役柄がナチ・ドイツからイラクやイスラム国、国際的テロ組織に変わってきたせいもあるだろう。
さて、今回...