小野耕世のPLAYTIME ⑧「なぜ、馬を撃たなかったのか?」
小野耕世のPLAYTIME ⑨
「なぜ、馬を撃たなかったのか?」
さきに私は、『黒澤明 樹海の迷宮』(小学館)という、映画『デルス・ウザーラ』の撮影日記を中心とした本について述べたが、これとならんで今年読んだ映画に関する本として、最も感銘を受けたのは、グレン・フランクル著「捜索者 西部劇の金字塔とアメリカ神話の創生」(新潮社)であり、『樹海の迷宮』同様、かなり厚い本なのだが、いっきに読んでしまった。
これは『捜索者』のメイキングを記した内容をはるかに超え、アメリカ開拓期の対インディアン戦争が、いかにすさまじいものだったかを、克明に記し、アメリカ史のこの部分についてはかなり詳しいと思ってい...