第17回おしゃべりな映画たち
『星の時』(1985年/監督:スザーナ・アマラウ)
夢想と現実の激突を描く
ブラジルの貧しい地域から都会に出てきた主人公マカベーアは、19歳。小さな会社でタイピストをしている。とても貧しくて。それだけじゃなくて、「頭が鈍くて、容姿が冴えない」ので、まわりからバカにされている。
マカベーアについて考えると、自分がマカベーアでなくてよかったと思う。それでいて、自分がマカベーアでないことに罪悪感を抱く。罪悪感?違う。どこかマカベーアと同期してしまう部分を持っている、つまり、彼女が気になって仕方がない私は、彼女と似ているのじゃないかと落ち込んでくる。
誰からも必要とされていない。そしてそれすらもわかっていない。現実には自分をないがしろにする人物に...