ミュージアムプランナーの映画そぞろ歩き #39「市川崑監督作品『細雪』」 シネフィル連載-cinefil
2014年の夏、「TOHOシネマズ~午前10時の映画祭」で、市川崑監督作品『細雪』(1984年作品)が上映されていました。
この『細雪』、市川崑は助監督時代から映画化したかった小説だったそうなので、いわば40年以上、心のなかで温めていた作品といえます。
それには彼の生い立ちが深く関わっているようですね。
彼の実家は、伊勢の宇治山田の呉服屋で、三人姉妹の下の末っ子。
いわばよく見知っている世界なので、映画化するには勝算があったのでしょう。
しかし父親が早くに亡くなり、呉服屋は倒産。
まだ幼かった市川少年は、母親と、姉の嫁ぎ先を点々としたといいます。
しかし、この映画は、いわば関西のブルジョ...