「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」が大阪中之島美術館にて12月13日より2026年3月8日まで開催されます。(東京オペラシティアートギャラリーに2026年4⽉16⽇から6⽉24⽇まで巡回します。)
シュルレアリスムとは、一体、どのような意味なのでしょうか?

シュルレアリスムは、超現実主義と訳され、現実と夢の境界を超え、私たちの想像力を刺激する芸術運動です。第一次世界大戦後にフランスで起こり、アンドレ・ブルトンが1924年に発表した「シュルレアリスム宣言」によって正式に始まりました。
アンドレ・ブルトンの定義によると、「これまで無視されてきたような種々の連想における高次のリアリティと、夢の全能性への信頼に基づく」ものとされています。
無意識や夢に着目したフロイトの精神分析学に影響を受けて発生しました。
記念碑的な肖像画、物語的な宗教画、叙情的な風景画などとはまた別の、深層心理や深い思想によって生まれた芸術なのでしょう。

一見、現実離れした抽象的な芸術で、理解しがたいと思われがちですが、シュルレアリスムに属するものは、サルバドール・ダリやルネ・マグリットなどの奇抜で幻想的な絵画から、現代の映画や私たちの身近なファッション、インテリアに至るまで、さまざまなジャンルがあります。
シュルレアリスムは、芸術だけではなく、ファッションやインテリア、広告など、社会全体に大きな影響をもたらしました。
それでは、本展のみどころといくつかの作品を観ていきましょう。

みどころ1. 芸術界にとどまらないシュルレアリスム!

シュルレアリスムは、芸術分野だけにとどまらず、広告やファッション、インテリアなど日常にも拡大していきました。
全6章の構成は、第1章 オブジェ、第2章 絵画、第3章 写真、第4章 広告、第5章 ファッション、第6章 インテリアとなっていてシュルレアリスムの発展、変遷を辿ります。

画像: フランシス・ピカビア《黄あげは》 1926年 大阪中之島美術館

フランシス・ピカビア《黄あげは》 1926年 大阪中之島美術館

シュルレアリスムは現実だと認識しているものの中から、より上位の現実である「超現実」を露呈させること。客体(=objet [仏]/オブジェ)として事象をみつめることで「超現実」と向き合ったシュルレアリストたちのオブジェにより、シュルレアリスムの扉が開かれます。

画像: クルト・セリグマン《国際シュルレアリスム展》 1938年 サントリーポスターコレクション(大阪中之島美術館寄託)*後期展示

クルト・セリグマン《国際シュルレアリスム展》 1938年
サントリーポスターコレクション(大阪中之島美術館寄託)*後期展示

オブジェ、絵画、写真といったジャンルからさらに拡大するシュルレアリスムは、広告や、インテリア、ファッションといった領域に拡大します。

画像: フリッツ・ビューラー《ポスター「ジオデュの帽子」》 1934年 宇都宮美術館 *後期展示

フリッツ・ビューラー《ポスター「ジオデュの帽子」》 1934年 宇都宮美術館 
*後期展示

デペイズマンやコラージュ、フォトモンタージュなどシュルレアリスムにおいて多用されたテクニックを発揮した、訴求力に富んだ広告に注目します。

みどころ2. シュルレアリスムの名品が大集結!

「自動筆記」(オートマティスム)という文学的な実験に由来するシュルレアリスムは、長い伝統をもつ絵画の領域にも広がります。
サルバドール・ダリ、マックス・エルンスト、ルネ・マグリットなどはそれぞれの個性豊かな作風や技法を使って、人の深層心理や夢想を反映した不可思議な光景や人物像を描きました。

画像: イヴ・タンギー《失われた鐘》 1929年 豊田市美術館

イヴ・タンギー《失われた鐘》 1929年 豊田市美術館

画像: ルネ・マグリット《レディ・メイドの花束》 1957年 大阪中之島美術館

ルネ・マグリット《レディ・メイドの花束》 1957年 大阪中之島美術館

大阪中之島美術館の開館3周年記念特別展「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・ コレクション」(2024年9月14日(土)-12月8日(日))でも紹介されたルネ・マグリット《レディ・メイドの花束》。マグリットはしばしば描いた山高帽の男の背に、ルネサンス期の巨匠ボッティチェリの《春》(1482年頃、ウフィツィ美術館)の花の女神フローラを重ねました。
本展メインビジュアルとなっている《王様の美術館》(横浜美術館所蔵)もマグリットの作品で、初めての来阪です。

みどころ3. ファッションとシュルレアリスム 

シュルレアリストたちとの交流が深かったデザイナー、スキャパレッリ。彼女の代名詞ともいえるショッキング・ピンクのドレス(イヴニング・ドレス「サーカス・コレクション」、島根県立石見美術館所蔵)をはじめ、独自のデザインが施された香水瓶やジュエリーなど、多岐にわたるスキャパレッリ作品が集結します。

画像: ヴォルス《無題》 1937 / 1979年の再プリント 横浜美術館 *後期展示

ヴォルス《無題》 1937 / 1979年の再プリント 横浜美術館 *後期展示

画像: エルザ・スキャパレッリ《イヴニング・ドレス「サーカス・コレクション」》 1938年 島根県立石見美術館 *前期展示

エルザ・スキャパレッリ《イヴニング・ドレス「サーカス・コレクション」》 1938年
島根県立石見美術館 *前期展示

画像: エルザ・スキャパレッリ《香水瓶「スリーピング」》 1938年 ポーラ美術館

エルザ・スキャパレッリ《香水瓶「スリーピング」》 1938年 ポーラ美術館

シュルレアリスムは、モードやファッションと近接する場にありました。服飾そのものや服飾雑誌にシュルレアリスム的手法が用いられるとともに、マネキンを身体のオブジェ化としてとらえるなど、シュルレアリストたちのインスピレーションの源ともなりました。

芸術の秋、大阪中之島美術館で、シュールな芸術をご堪能ください。

展覧会概要

展覧会名 拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ
会期 2025年12月13日(土) – 2026年3月8日(日)
前期:12月13日(土)– 1月25日(日) 後期:1月27日(火)– 3月8日(日)
休館日:月曜日、12/30(火)、12/31(水)、1/1(木・祝)、1/13(火)、2/24(火)
*1/12(月・祝)、2/23(月・祝)は開館
開場時間 10:00 – 17:00(入場は16:30まで)
会場 大阪中之島美術館 4階展示室
お問い合わせ 大阪市総合コールセンター(なにわコール)
06-4301-7285 受付時間 8:00 – 21:00(年中無休)
展覧会公式サイト 

https://nakka-art.jp/exhibition-post/surrealism-2025/

料金など詳細は上記展覧会公式サイトよりご覧いただけます。

シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」@大阪中之島美術館 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上2組4名様に無料鑑賞券をお送り致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2025年12月22日 月曜日 24:00
記載内容
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