対談企画「いま気になる映画人」では、映画製作・プロデューサーの飯塚冬酒が「いま気になる」映画人に逢い、対談する企画です。
『おーい!どんちゃん』『北浦兄弟』などの話題作に立て続けにご出演されている大塚ヒロタさん。作品毎に違う顔をみせる変幻自在の役者さん。その素顔に迫ります。

画像: 対談企画「いま気になる映画人」VOL.12
大塚ヒロタ(俳優)×飯塚冬酒(映画プロデューサー・監督)

何故、俳優に

飯塚「まずは何故俳優になろうかと思ったのか。そのきっかけからお訊きしてもよろしいでしょうか」

大塚「原点は・・・中学生だと思います。中学生の時に席が隣になった女の子のことを好きになって。どうしたらその女の子に気に入ってもらえるだろうって考えて、当時観ていたTVや映画の面白いことを再現していたのが芝居の原点だったと思います」

飯塚「よこしまな(笑)」

大塚「そうですね。お笑い番組のものまねやジブリやディズニーなどのアニメを再現してみたり、チャップリンとか・・・」

飯塚「幅広いですね。それで、その女の子は?」

大塚「うまくいったんです。二人でデートしたりとか」

飯塚「そこで味をしめた(笑)」

大塚「(笑)自然消滅しましたけど・・・同時期に地元にビデオ屋ができて、そこでビデオを借りて映画を観たりした辺りから映画俳優になりたいな、なんて思っていました。目立ちたがりだったので(笑)」

飯塚「どんな映画を観ていたんですか?」

大塚「濱マイクシリーズや、80、90年代のハリウッド作品『ビバリーヒルズ・コップ』『ロッキー』とか。エンターテイメントの王道作品を中心に観ていました。その頃の映画って音楽も素晴らしくて、映像と音楽がリンクしていたのが印象でした」

画像: 何故、俳優に

芝居の世界へ

大塚「高校の時に”大学行かないで俳優なる”と先生に話したら、”俳優は大学行ってもなれるだろ?”と言われて、妙に納得して大学に通ったんですね。映画館でバイトしながら楽しく過ごしていたんですけど(笑)。大学3年くらいの時に舞台の演劇学校に行ってから本格的に芝居の世界に入りました」

飯塚「その後は?」

大塚「学校卒業してから、事務所に入ることもなく、何かが起こるわけでもなく・・・アメリカで活躍したらカッコいいかも!と思ってアメリカに活動の場を移しました(笑)
アメリカでは、バイトとサッカーばかり(笑)。最初はあまり英語もできなかったんですけど、演技学校行ったり、サッカー仲間に助けられたりしながら、あっという間の6年間。
思ったような演劇活動はできず、役者としてはくすぶっていたんですけど青春ですね」

飯塚「なるほど」

大塚「演劇の舞台にも時々は立つようになっても、自分の中ではまだまだな気持ちが多くて。英語で舞台はできてもまだまだ表現できることがあるんじゃないかと。
そんなときイタリアのコメディア・デラルテという舞台に出会ったんです」

飯塚「コメディア・デラルテ?」

大塚「コメディア・デラルテ自体は演劇学校で習って、イタリアの仮面をつける即興喜劇だって事は知ってはいたんですけど、実際には観たことがなかったんです。
ある日ニューヨークの小さな劇場でコメディア・デラルテの一人芝居を観る機会があって、全編イタリア語のステージ、言葉がわからなくても人種や言葉の壁を超えてみんな大爆笑していたんです。これだ!ってピンと来ました。
すぐにその人にコンタクトして、イタリアに一緒についていってイタリアでその人の元で学ばせてもらいました。(今思えば巨匠だったんですが)」

飯塚「行動的ですね。イタリアは何年くらい?」

大塚「イタリアは一年間いました。コメディア・デラルテの先生のスクールが一年間だったんですね。その一年間が終わったタイミングで帰国しました」

画像: 芝居の世界へ

名優・大杉漣さんの事務所に

大塚「日本に帰国する飛行機の中で手紙を書いて、帰国して昔から縁のあった大杉漣さんにお渡ししたんです」

飯塚「大杉漣さん?」

大塚「はい、僕が学生時代に映画館でバイトしていた時に大杉さんの息子さんと親友になって、ご本人にもサッカーを通じて知り合っていた奇妙なご縁。しかも手紙お渡しした時、丁度大杉さんが独立して個人事務所を立ち上げたタイミングで、採用していただきました」

飯塚「本当に、縁とタイミングですよね」

大塚「映像の現場はほとんど経験がなく、まして日本の現場の経験は全くなかったので。大杉さんの付き人しながら、現場の全てを教えていただきました。
10年間、大杉さんにお世話になって・・・亡くなられてから今の事務所に入りました」

飯塚「大杉さんはどんな方だったんですか」

大塚「大杉さんは作品に関わる方々のことをしっかりみていて、キャストさんもスタッフさんも。その中でご自身が何をすべきかを考えていたことが印象的でした。本当に楽しそうにお芝居をされていました。自分もそんな風になれればと思いながら現場に挑んでいます」

飯塚「大杉さんはお芝居の幅が大きい人でしたが、大塚さんも作品によって全く違う顔を見せられる役者さんですよね」

大塚「そんな(笑)。作品でお声かけいただいた役に自分として何ができるか、を考えることで精いっぱいです」

飯塚「役へのアプローチは?」

大塚「僕は他人になろうとは思っていないんですね。僕が演じることを楽しめるような役のヒントを探して、役にアプローチする、という感じです。

飯塚「『おーい!どんちゃん』は大塚さんに近しい感じがするんですけど、『ガンニバル』の大塚さんは全く違う顔で・・・どんなふうにアプローチしたのでしょう?」

大塚「そうですね・・・『ガンニバル』の世界は普通経験しないようなおどろおどろしい世界ですし、僕は双子(2役)を演じたのですが共に自分とはあまり共通点のないキャラクターでした。作品の中では描かれていないんですけど・・・僕だったら、その立場にいたら『家族や村に縛られていて、でもここから抜け出したいんじゃないかな』と思い、それを軸に演じました。原作の先生や監督が思っていることではないのかもしれませんが、僕だったらどう考えるんだろうという主観を大事に演じました」

画像: 映画『北浦兄弟』(辻野正樹 監督)より

映画『北浦兄弟』(辻野正樹 監督)より

主演作『北浦兄弟』について

飯塚「主演された映画『北浦兄弟』についてお聞かせください」

大塚「『北浦兄弟』は本当にワクワクするチャレンジの連続でした!まず台本を読んだ時めちゃくちゃ笑ったんです。なんて愚かな兄弟なんだろうと。でも私がやっているコメディア・デラルテに出てくるキャラクター達も ”本人は一生懸命なんだけど、一歩引いてみると滑稽” な人達ばかりなんです。北浦兄弟にも同じ匂いを感じました。なんでそうなるのよ?という展開の連続。でも人生ってそうじゃないですか?男という生き物の本質や人間性がモロに露わになるところが演じていてもとても痛快でした。また辻野監督や中野さんをはじめスタッフとみんなで知恵を絞って作る現場がとても楽しかったです。
是非劇場でご覧いただきたい作品です!」

飯塚「本日はありがとうございました。

大塚「ありがとうございました」

画像: 主演作『北浦兄弟』について

北浦兄弟|監督:辻野正樹|2024年|日本|94分|5.1ch|アメリカンビスタ
製作:「北浦兄弟」映画製作委員会
宣伝:ブライトホース・フィルム / 配給:GACHINKO Film
https://g-film.net/kitaura/

カメラ:岩川雪依 / スタイリスト(大塚ヒロタ):霜田有沙

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