21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3において、現代イタリアを代表する建築家・デザイナーでアーティストのミケーレ・デ・ルッキの展覧会「六本木六軒:ミケーレ・デ・ルッキの6つの家」が10月14日まで開催されています。

デ・ルッキは建築家としての先進的な活動と共に、20年以上にわたって手作業による創作を続け、新しいフォルムを追求してきました。彼の創作活動は、建築の新たな概念を考え出す原動力でもあります。展示「六本木六軒:ミケーレ・デルッキの6つの家」では、デ・ルッキの彫刻シリーズ「ロッジア」の6作品が初公開されます。

この展示は、2018年に21_21 DESIGN SIGHTでのデ・ルッキと三宅一生との対話をきっかけに始まり、木製3点、ブロンズ製3点の彫刻が展示されています。作品は六本木の地名の由来である6軒の武家屋敷にちなんで「六本木六軒」と名付けられました。彫刻は、デ・ルッキがデザインしてアセチル化処理(木材を安定させ、耐水性、防腐等を高める酸化処理)されたオーク材の台座に置かれています。台座の制作はイタリアのオフィス家具ブランド、UniForです。

デ・ルッキは「木とブロンズはそれによって人類が文明を形成し、人間性を成長させてきた最も古くて高貴なマテリアルなのです」と語り、使用したマテリアルには人類学的な意味があるといいます。

画像: 作品解説するミケーレ・デ・ルッキ氏 photo©︎moichisaito

作品解説するミケーレ・デ・ルッキ氏
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画像: フォトセッションで戯けるミケーレ・デ・ルッキ氏 photo©︎moichisaito

フォトセッションで戯けるミケーレ・デ・ルッキ氏
photo©︎moichisaito

「ロッジア」の制作で探求されたのは、「間(あわい)の空間」の概念です。これは、家の内と外をつなぎ、生活と外界が融合する場であり、日本の障子とヨーロッパの窓フレームを想わせる要素が組み合わされています。デ・ルッキは、日本とイタリアの伝統を融合させ、職人の手仕事への敬意を共有することで、より完璧なものになると考えています。

画像: 展示風景:右手前は《Loggia 387》ウォールナット材 (2015年) photo©︎moichisaito

展示風景:右手前は《Loggia 387》ウォールナット材 (2015年)
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画像: 展示風景:左手前は《Loggia 384》ウォールナット材(2015年) photo©︎moichisaito

展示風景:左手前は《Loggia 384》ウォールナット材(2015年)
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また「ロッジア」は、伝統的な日本の茶室を想わせると同時に、内と外の連続した空間を生み出す現代建築の試みであり、デ・ルッキにとっては外の世界を取り込む透過的な環境の探求でもあります。彼は、人と自然、建築との関係が重要であり、新たな生き方を模索する必要があるとしています。この展示は、健全な建物とは何かを考える場でもあります。

画像: 展示風景:《ブロンズ・ロッジア3》ブロンズ(2024年) photo©︎moichisaito

展示風景:《ブロンズ・ロッジア3》ブロンズ(2024年)
photo©︎moichisaito

画像: 展示風景:《Loggia 387》ウォールナット材 (2015年) photo©︎moichisaito

展示風景:《Loggia 387》ウォールナット材 (2015年)
photo©︎moichisaito

展覧会場入り口近くの壁面には制作過程の映像が流れ、デ・ルッキのナレーションも聞けます。英語と日本語の字幕があるので、作品のコンセプトや制作の手順がよく分かります。会場にはもうひとつ、ヴィクトル・コサコフスキー監督による映像作品もあります。

画像1: 展示風景:制作過程の映像の一場面 photo©︎moichisaito

展示風景:制作過程の映像の一場面
photo©︎moichisaito

画像2: 展示風景:制作過程の映像の一場面 photo©︎moichisaito

展示風景:制作過程の映像の一場面
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画像: 展示風景:ヴィクトル・コサコフスキー監督による映像作品の一部 photo©︎moichisaito

展示風景:ヴィクトル・コサコフスキー監督による映像作品の一部
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1980年代に世界のデザインに大きな影響を与えた伝説的なデザイン集団〈メンフィス〉に建築家のミケーレ・デ・ルッキは若くして、その前身である〈アルキミア〉から参加していた人物です。小規模な展示ですが、ミケーレ・デ・ルッキのものづくりのエッセンスが凝縮した空間体験ができます。
ぜひ、足を運んでみましょう。

概要

六本木六軒:ミケーレ・デ・ルッキの6つの家

会期:開催中〜2024年10月14日
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
開館時間:10:00〜19:00
休館日:火曜日
料金:無料
公式サイト:https://www.2121designsight.jp

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