ヨーロッパ、アジアを中心に、国際共同製作で実績を重ねてきた松井雅也監督の短編映画、4作品がセレクトされた特集上映が4月19日より代官山シアターギルドにて開催されます。各国の映画祭で数々の賞を受賞した劇場未公開の最新作『10センチの彼方』を含む珠玉の短編特集となっています。

窓辺からの美しい街並み、軋む床、パリのアパルトマンの空気感を封じ込めたような映像美。
パリの若者たちのごくありふれた恋愛を描いた『10センチの彼方』は、音響にもこだわり抜いたアート作品。
主人公の切ない想いがリアルに描写されていて、LGBTQをテーマとしながらも、多様性は日常であるというメッセージが秘められている。

画像1: フランスをはじめ世界で映画を撮り続ける松井雅也監督に注目!
釡山国際映画祭正式招待デビュー作『少年と娼婦』から日本初公開の最新作『10センチの彼方』までの特集上映開催

『The Boy And The Whore 少年と娼婦』は、松井監督の初短編映画にして、アジア最大級の映画祭、釡山国際映画祭に正式出品されたSF作品。
歴史が始まる前の世界から現代へ、時間がどのようにつながったのかを独特のアイディアと視点で詩的でミニマルに描いた映像作品です。冒頭に現れるキリスト教の古い詩’イシスへの頌歌’の一節、「私が最初の女であり、最後の女であるがゆえに ~私は娼婦であり、聖女 」がこのストーリーの時間軸の根っこにあるという事だけお伝えしておきましょう。

画像2: フランスをはじめ世界で映画を撮り続ける松井雅也監督に注目!
釡山国際映画祭正式招待デビュー作『少年と娼婦』から日本初公開の最新作『10センチの彼方』までの特集上映開催

震災を現地での綿密な取材に裏付けられたフィクションで描いた『オレンジ』**。主演の四方堂亘のリアリティのある演技が光る作品です。
カンヌ国際映画祭、クレル モン=フェラン国際短編映画祭など多数の国際映画祭に招待された本作は、実際に震災でも被災されたフィリピン人コミュニティと地域のリアルをベースに脚本化されていて、大切な人を失った多くの被災者の方にエールを送る感動作となっている。
両親を津波で失い孤独に打ちのめされている父、孝仁と、フィリピンの貧しいスラム街で健気に生きる母と娘に起こった、家族のを再発見する物語です。

画像3: フランスをはじめ世界で映画を撮り続ける松井雅也監督に注目!
釡山国際映画祭正式招待デビュー作『少年と娼婦』から日本初公開の最新作『10センチの彼方』までの特集上映開催

『Danseuse sous le pont 橋の下の踊り子』は、もともと松井監督のパリでの個展’Maison des cœurs <心の家>展’用に製作されたスーパーショートムービーです。<家 >という概念をホームレスを題材に比喩的に表現した実験的映像。
美しいピアノは松井監督のパリの友人であるMotomitsu Maehara氏によるもの。世界各国の人の声がミックスされていたり、日本の風景なのにフランス語で進行するストーリーも興味深い。

画像4: フランスをはじめ世界で映画を撮り続ける松井雅也監督に注目!
釡山国際映画祭正式招待デビュー作『少年と娼婦』から日本初公開の最新作『10センチの彼方』までの特集上映開催

どの作品も、松井監督の<空気感でリアルな物語を描く>映像となっており、美しい映像美だけでなく、それぞれに趣向を凝らした音響と相まって、短編作品ながら、実際に主人公たちのいる空間に居合わせたかのような体験ができる。
松井監督ならではのインターナショナルな作品を日本的な感性で製作する、モノ作りにも注目したい。

特集上映予告

画像: MASAYA MATSUI - Shorts Retrospective Teaser www.youtube.com

MASAYA MATSUI - Shorts Retrospective Teaser

www.youtube.com

松井雅也監督が、特集上映に寄せたメッセージ

今回特集の4作品を振り返ってみると(当時は意識していなかった)自分が撮ってきたものに共通するものがあることに気がついた。<多様性>と言えば薄っぺらな言葉だけれど、周りには本当にいろんな人がいて、それぞれ違った人生観を持って、千差万別の人生を歩んでいる、という当たり前のことが描きたかった。それらは残念ながら決して平等ではないけれど、確実にそこに在り、生命の輝きを放っている。その多様な輝きが、今回の4作を鑑賞してもらった後、ふと心に残っていたら良いなと願っています。

画像: 松井雅也監督

松井雅也監督

松井雅也監督プロフィール
東京とパリを拠点とする映像作家、プロデューサー、ディレクター。早稲田大学卒業後、グラフィックデザイナー、ディレクターを経て渡仏。広告を中心に、数多くの国際的な映像作品の演出を手掛け、カンヌ国際映画祭、クレルモン・フェラン国際短編映画祭、釜山国際映画祭、SPIKES ASIA、ACCなど世界中の映画祭や広告祭での上映、受賞歴多数。その詩的な映像美と特筆すべきサウンドスケープは欧州及び世界で高く評価されてきた。
またプロデューサーとして、国際共同製作作品にも名前を連ね、Foorin team-Eのミュージックビデオ『パプリカ』では世界21カ国の子どもたちの撮影をアレンジした。
https://www.flower-flower.com

連日トークショーを開催

【4月 19日 (水)】
監督登壇トーク
【4月 20日 (木)】
谷口尚久(少年と娼婦、10センチの彼方サントラ)、水希友香(少年と娼婦)
【4月 22日 (土)】
四方堂亘(オレンジ主演)
【4月 23日 (日)】
四方堂亘(オレンジ主演)、島村もも子(橋の下、俳優、ダンサー)
【4月 25日 (火)】
監督登壇トーク

そのほか
モトミツ マエハラ (橋の下の踊り子サウンドトラック)日程調整中

<作品紹介>

◆À(10) centimètres 『10センチの彼方』 (日仏合作 2020年 25分)

Japan International Film Festival 最優秀LGBTQ映画、Asian Talent International Film Festival 審査委員特別賞、Cannes Shorts Film Festival 最優秀フランス短編映画、 Seoul International Short Film Festival 審査委員特別賞、Tokyo Film Award 審査員特別賞 など数々の受賞を引っ提げて日本初公開の松井雅也監督の最新作。日仏合作。
サウンドトラックは、音楽家、谷口尚久による楽曲を、オペラパリのファーストバイオリニストであるThibault Vieuxがバイオリンの美しい音色で奏でる。

画像: ◆À(10) centimètres 『10センチの彼方』 (日仏合作 2020年 25分)

雑誌ライターのジェロームとバイオリンを学ぶクリストフはルームメイト。パリの日常を舞台に、二人の男性の切ない恋を描く。

Magazine writer Jerome and violin student Christoph are roommates. Set in everyday life in Paris, it depicts a heartrending love between two men.

◆The Boy And The Whore 『少年と娼婦』 (2011年 16分)

釡山国際映画祭に正式招待作品としてワールドプレミアを迎えた松井雅也監督の初短編映画。

画像: ◆The Boy And The Whore 『少年と娼婦』 (2011年 16分)

歴史が始まる前。花売りの少年が出会う一人の娼婦。彼女は宇宙船に乗り未来から来た女。二人は恋に落ち、そして...。
ユニークな時間の解釈を独自の世界観で描くSF。

Before history begins. A prostitute that a boy who sells flowers meets. She is a woman from the future on a spaceship. The two fall in love, but eventually...Sci-fi that renders a unique idea of time with minimal worldview.

◆『ORANGE』 (日比合作 2013年 30分)

カンヌ国際映画祭、クレルモン=フェラン国際短編映画祭、フライブルグ国際映画祭など多くの国際映画祭に正式招待された日フィリピン合作。

画像: ◆『ORANGE』 (日比合作 2013年 30分)

東日本大震災から一年後の気仙沼。一人仮設住宅に暮らす孝仁の元に、ある日不意に届いたフィリピンで離れて暮らす妻と娘からの手紙。
誘われるように、唯一の身内 となってしまった二人に会うため、孝仁はフィリピンへ旅立つ。

Kesennuma city, one year after devastating damage from Tsunami. One day, Takahito, who lives alone in temporary housing, unexpectedly receives a letter from his wife and daughter, who live away in the Philippines. Takahito leaves for the Philippines to meet the two who have now become his only relatives.

◆『Danseuse sous le pont』 (日仏合作 2022年 3分30秒)

松井監督のパリでの個展(L’exposition Maison des cœurs <心の家>展, CPA Pina Bausch Paris) 用に製作した短編映画。
リオデジャネイロ World Film Festival にてワールドプレミアを迎えた。

画像: ◆『Danseuse sous le pont』 (日仏合作 2022年 3分30秒)

「お前は橋の下に捨てられていた子だよ!」橋の下で暮らすホームレスの少女を通して、社会、家、家庭、孤独を描く実験的映画。

"You're the child abandoned under the bridge!" This is how Japan used to be, where parents scolded their children. An experimental film depicting society, home, family and loneliness through the story of a homeless girl living under a bridge.

4月 19日 (水)より4月 25日 (火)まで、代官山シアターギルドにて開催

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