『ファーザー』のフロリアン・ゼレール監督最新作『The Son/息子』が3月17日(金)より全国公開中です。ヒュー・ジャックマンが主演と製作総指揮を務めた本作は、親と子の心の距離を描いたヒューマンドラマであり、『ファーザー』に続く家族3部作の第2部です。
この度は、フロリアン・ゼレール監督のインタビュー映像が解禁されました。
「リハーサルはほとんど行わなかった」
フロリアン・ゼレール監督が語る『The Son/息子』制作秘話
本作は『ファーザー』でアカデミー賞®を受賞したゼレール監督の最新作であり、『X-MEN』シリーズや『レ・ミゼラブル』で知られるヒュー・ジャックマンが主演と製作総指揮を務めた注目作だ。
ゼレール監督は1979年、フランス生まれ。小説家としてキャリアをスタートさせ、これまでフランス演劇界で最高の栄誉とされているモリエール賞を獲得するなど、現代フランスを代表する劇作家として知られている。映画監督としてのキャリアは、自身の戯曲を映画化した『ファーザー』が初監督作で、本作が長編2作目となる。解禁されたインタビュー映像では、演劇界出身ならでは演出や脚本の書き方、名だたる俳優たちを起用した理由、パンデミック後のメンタルヘルス問題に至るまで、あらゆることを語ってくれた。
ゼレール監督は戯曲や脚本を書き方について、「普段は特定の俳優を想定して書いている」と語る。しかし、本作で想定していたのはアンソニー・ホプキンスだけだったと明かした。ヒュー・ジャックマンが主演と製作総指揮を務めるきっかけとなったのは、彼自身の熱烈なアプローチがきっかけだったという。時勢柄もあり、Zoomで面談が行われ、面接の20分後には役をオファーしていたほど、彼の本作にかける熱意に心を打たれたようだ。また、ローラ・ダーンやヴァネッサ・カービー、ゼン・マクグラスについても、それぞれの起用のきっかけや印象を語っている。とりわけ、ローラ・ダーンに関しては、彼女をいくども起用しているデヴィッド・リンチ監督の影響があったことを明かしている。
演出について話が及ぶと、驚きの発言が飛び出した。なんと、本作ではリハーサルをほとんど行わなかったという。ゼレール監督はリハーサルの重要性を認めつつも、リハーサルを行わなかった理由について、「俳優たちには演技をしてほしくなかった」、「正直な反応を見せてほしかったんだ」と明かす。そうすることによって「独自性と力強さを持つ作品を撮れる」のだと、自らの演出法について熱く語った。また、パンデミック以降、本作の真実味がさらに増したとゼレール監督は語っている。「多くの人がつらく大変な状況を経験したからだ。孤独や不安にも直面してきた。」と、近年社会問題化しつつあるメンタルヘルス問題に触れ、この問題について「話せば話すほど、口にしてもいいのだと思えるようになる」と、未来への希望を語った。
『ファーザー』、『The Son/息子』と自らの「家族3部作」の戯曲を映画化したゼレール監督。残る1作は2010年にフランスで初演され、2019年にはイザベル・ユペール主演で上演された「The Mother」だ。彼の次回作に注目が集まる。
フロリアン・ゼレール監督:インタビュー映像
監督・脚本・原作戯曲・製作:フロリアン・ゼレール 『ファーザー』
出演:ヒュー・ジャックマン、ローラ・ダーン、ヴァネッサ・カービー、ゼン・マクグラス、アンソニー・ホプキンス
2022年|イギリス・フランス合作|英語|カラー|スコープサイズ|123分|字幕翻訳:岩辺いずみ|映倫:G一般
© THE SON FILMS LIMITED AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2022 ALL RIGHTS RESERVED.
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ
公式Twitter:https://twitter.com/TheSon_jp