(カバー画像)アンリ・マティス 《雑誌『ヴェルヴ』第4巻13号の表紙図案》1943年 切り紙、カンヴァスに貼り付け
ベルリン国立ベルクグリューン美術館、ベルクグリューン家より寄託 © Private Collection, on loan to Museum Berggruen – Nationalgalerie, Staatliche Museen zu Berlin / bpk /Jens Ziehe

ベルリン国立ベルクグリューン美術館より来日したピカソ、クレー、マティスなど、珠玉の20 世紀美術コレクションが一堂に会する展覧会が、国立西洋美術館(東京・上野公園)にて2023年1月22日(日)まで開催中です。

コレクターであるドイツ生まれの美術商ハインツ・ベルクグリューン(1914-2007 年)は、1948 年からパリで画廊を経営しながら、世界有数の個人コレクションを作りあげました。
「最高の顧客は自分自身」 という アート・ディーラーが厳選した 20 世紀美術コレクションは、1996 年以後、生まれ故郷であるベルリンのシャルロッテンブルク宮殿に面した建物の中で公開され、2000 年には主要作品をドイツ政府が購入、2004 年にはベルクグリューン美術館と改称されました。ベルリン国立美術館群ナショナルギャラリーに属し、数々の展覧会を開催し、世界的な評価を得ている美術館です。

ベルクグリューンは晩年まで作品の購入と放出を繰り返し、コレクションに際立った特色を持たせるよう努めました。最終的には、彼が最も敬愛した同時代の 4 人の芸術家たち、パブロ・ピカソ、パウル・クレー、アンリ・マティス、 アルベルト・ジャコメッティの作品に重点が置かれています。この 4 人に彼らが共通して師と仰いだモダンアートの祖、 ポール・セザンヌも加えた、粒選りの作品からなるコレクションは、創造性と生命力にあふれた 20 世紀の巨匠たちの芸術を堪能させてくれます。
ベルクグリューン美術館の改修を機に実現した今回の展覧会は、この個性的で傑出したコレクションから精選した 97 点の作品に、日本の国立美術館の所蔵・寄託作品 11 点を加えた合計 108 点で構成されています。
ベルクグリューン美術館の設立後、館外でまとめてコレクションを紹介する展覧会は今回が初めてで、97 点のうち 76 点が日本初公開となる貴重な機会です。
是非、稀代のコレクターが情熱を注いで選び抜いた素晴らしい作品に出逢ってください。

画像: ベルクグリューン美術館 Courtesy of Museum Berggruen

ベルクグリューン美術館 Courtesy of Museum Berggruen

ハインツ・ベルクグリューン(1914-2007 年)

ハインツ・ベルクグリューンは 1914 年にベルリンでユダヤ人の家庭に生まれますが、1936 年、ナチス政権の抑圧を逃れてアメリカに渡り、フリーの美術ジャーナリストとして活動した後、サンフランシスコ美術館に勤務。第二次世界大戦従軍後は、パリで画廊を開き、やがて世界的な画商となります。作品のみならず芸術家の人となりにも深い関心を持ち、ピカソ、マティスなどの作家や詩人、文学者と親交を深めます。自分の心に適う限られた作家の作品収集に専念し、一貫性のある個性豊かなコレクションを作り上げました。

コレクションはジュネーヴ美術博物館、ロンドン・ナショナル・ギャラリーで展示された後、東西ドイツの統一を背景として、1996 年からベルリンのシャルロッテンブルク宮殿に面した建物で公開されました。その圧倒的な成功を受け、主要作品は 2000 年にドイツ政府とベルリン市の資金援助によりベルリン・ナショナルギャラリーに収蔵されますが、これは同国の美術館史上最も高額な購入のひとつです。2004 年には彼の 90 歳を記念しベルクグリューン美術館と改称、ベルリン国立美術館群のひとつとして、またヨーロッパの重要なモダンアートの展示紹介の場として活動しています。

画像: ハインツ・ベルクグリューン ⒸHeinz Berggruen Collection, Photo: Mary Ellen von Schacky-Schultz.

ハインツ・ベルクグリューン ⒸHeinz Berggruen Collection, Photo: Mary Ellen von Schacky-Schultz.

クレーの宇宙

ベルクグリューンにとって、ピカソが畏敬の対象であった一方、パウル・クレーは深い共感を覚える画家でした。
造形的な考察とロマン主義的な想像力が融合したクレーの芸術は、機知と詩情に溢れた豊かな宇宙を成しています。本展では第一次世界大戦の終わりから、バウハウス時代にかけての作品を中心に紹介されています。
キュビスムの影響や、生命の源泉であるエロスの象徴としての女性像など、ピカソと比較できる側面にも注目します。

画像: パウル・クレー 《中国の磁器》1923年 水彩・グアッシュ・ペン・インク、石膏ボード、合板の額 ベルリン国立ベルクグリューン美術館 © Museum Berggruen – Nationalgalerie, SMB / bpk / Jens Ziehe

パウル・クレー 《中国の磁器》1923年 水彩・グアッシュ・ペン・インク、石膏ボード、合板の額
ベルリン国立ベルクグリューン美術館 © Museum Berggruen – Nationalgalerie, SMB / bpk / Jens Ziehe

画像: パウル・クレー 《子どもの遊び》 1939年 糊絵具・水彩、厚紙 ベルリン国立ベルクグリューン美術館 © Museum Berggruen – Nationalgalerie, SMB / bpk / Jens Ziehe

パウル・クレー 《子どもの遊び》 1939年 糊絵具・水彩、厚紙
ベルリン国立ベルクグリューン美術館 © Museum Berggruen – Nationalgalerie, SMB / bpk / Jens Ziehe

マティス:安息と活力

ピカソと並ぶ 20 世紀の巨匠マティス。彼の油彩・素描・彫刻と、躍動感に溢れる 1940 年代の希少な切り紙絵が紹介されています。純粋な色彩と簡潔なデッサンを一体化した切り紙絵は、今日ではマティス晩年の偉大な達成と見做されていますが、すぐにはその真価が認められませんでした。切り紙絵に特化した最初の展覧会を開いて評価を促したのが、まだ若きベルクグリューンその人でした。

画像: アンリ・マティス 《雑誌『ヴェルヴ』第4巻13号の表紙図案》1943年 切り紙、カンヴァスに貼り付け ベルリン国立ベルクグリューン美術館、ベルクグリューン家より寄託 © Private Collection, on loan to Museum Berggruen – Nationalgalerie, Staatliche Museen zu Berlin / bpk /Jens Ziehe

アンリ・マティス 《雑誌『ヴェルヴ』第4巻13号の表紙図案》1943年 切り紙、カンヴァスに貼り付け
ベルリン国立ベルクグリューン美術館、ベルクグリューン家より寄託 © Private Collection, on loan to Museum Berggruen – Nationalgalerie, Staatliche Museen zu Berlin / bpk /Jens Ziehe

マティスの本作は「世界で最も美しい美術雑誌」といわれるフランスの美術雑誌「ヴェルヴ」の表紙として取り上げられ、リトグラフによる版画も多数掲載されました。

画像: アンリ・マティス《⻘いポートフォリオ》1945年 油彩、カンヴァス ベルリン国立ベルクグリューン美術館 © Museum Berggruen – Nationalgalerie, SMB / bpk / Jens Ziehe

アンリ・マティス《⻘いポートフォリオ》1945年 油彩、カンヴァス
ベルリン国立ベルクグリューン美術館 © Museum Berggruen – Nationalgalerie, SMB / bpk / Jens Ziehe

ベルクグリューンを魅了した20世紀を彩る巨匠たち、個性的な形態のピカソや強烈な色彩のマティス、造形的でロマン主義的なクレーなどの独創的な世界を是非、この機会にご堪能ください。

展覧会概要

【展覧会名】 ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展
Picasso and His Time: Masterpieces from Museum Berggruen / Nationalgalerie Berlin
【会 期】 2022 年 10 月 8 日(土)-2023 年 1 月 22 日(日)
【開館時間】 9:30~17:30(毎週金•土曜日は 20:00 まで)※入館は閉館の 30 分前まで
【休館日】 月曜日、10 月 11 日(火)、12 月 30 日(金)~2023 年 1 月 1 日(日)、1 月 10 日(火)
※ただし、10 月 10 日(月・祝)、2023 年 1 月 2 日(月・休)、1 月 9 日(月・祝)は開館
【会 場】 国立西洋美術館(東京・上野公園) 〒110-0007 東京都台東区上野公園 7-7
【主 催】 国立西洋美術館、ベルリン国立ベルクグリューン美術館、東京新聞、TBS、共同通信社
【後 援】 ドイツ連邦共和国大使館、ゲーテ・インスティトゥート東京
【協 賛】 DNP 大日本印刷、あいおいニッセイ同和損保
【協 力】 日本航空、ルフトハンザ カーゴ AG、ヤマト運輸、西洋美術振興財団
【展覧会公式サイト】 https://picasso-and-his-time.jp

【展覧会公式 Twitter】 @picasso_berg ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展
【観覧料金】 一般 2,100 円 大学生 1,500 円 高校生 1,100 円 中学生以下無料
*本展は新型コロナウイルス感染防止対策のため、日時指定制となります。事前に日時指定予約の上、来場ください。
*無料入場対象の方は日時指定予約は不要です。直接会場へお越しください。ただし、会場内の混雑等により
ご入場をお待ちいただく場合がございます。
*中学生以下、心身に障害のある方及び付添者 1 名は無料(入館の際に学生証または年齢の確認できるもの、
障害者手帳をご提示ください)
*新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止のため、本展では団体券の販売を行わないことといたしました。
*国立美術館キャンパスメンバーズ加盟の大学等の学生・教職員は本展を学生 1,300 円、教職員 1,900 円で
ご覧いただけます。国立西洋美術館券売窓口にてお求めください。
【お問合せ】 050-5541-8600(ハローダイヤル)
【巡 回 展】 国立国際美術館(大阪) 2023 年 2 月 4 日(土)―5 月 21 日(日)

シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」@東京シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、招待券をお送り致します。この招待券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2022年12月19日 月曜日 24:00
記載内容
☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・
1、氏名 
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の郵便番号、電話番号、建物名、部屋番号も明記)
4、ご連絡先メールアドレス
5、記事を読んでみたい映画監督、俳優名、アーティスト名
6、読んでみたい執筆者
7、連載で、面白いと思われるもの、通読されているものの、筆者名か連載タイトルを、
ご記入下さい(複数回答可)
8、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
9、シネフィルのこの記事または別の記事でもSNSでのシェアまたはリツイートをお願い致します。
☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・。☆.・

This article is a sponsored article by
''.