〈アートハウス〉に新しい観客を呼び込むため、2021年1月からはじまった「現代アートハウス入門」。その第三弾となる企画が10月22日(土)より、[東京]ユーロスペースを皮切りに開催されます。
今回は題して、巡回上映「現代アートハウス入門 ドキュメンタリーの誘惑」。近年、日本のアートハウスのプログラムにおいて大きな割合を占めるようになった“ドキュメンタリーと呼ばれる方法で作られた映画”にフォーカス。

画像: (C)2022AHG

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開催にあたり18名の気鋭の映画作家にドキュメンタリー映画についての「アンケート」にご協力をいただきました。

現在、名前のあがった作品群から7作品の巡回上映プログラムを選考しています。ラインナップは
9月下旬頃に決定・発表する予定です。

【開催概要】
アートハウスへようこそ

1970年代から今日まで続く日本の〈アートハウス〉は、ミニシアターという呼称で親しまれてきました。そこは世界中の映画と刺激をもとめる観客とが出会う場所であり、多様な映画体験によって、未来の映画作家だけでなく、さまざまなアーティストを育む文化的ビオトープとしての役割を担ってきました。〈アートハウス〉の暗闇でスクリーンが反射する光を浴びることは、多かれ少なかれ―私たちの生き方を変えてしまう体験なのです。
「現代アートハウス入門」は、〈アートハウス〉に新しい観客を呼び込むため、コロナ禍真っ只中の2021年にはじまった施策です。その第三弾となる巡 回上映「現代アートハウス入門 ドキュメンタリーの誘惑」は“ドキュメンタリ ーと呼ばれる方法で作られた映画”にフォーカスした企画です。

まず、18名の気鋭の映画作家に次のようなアンケートに協力していただきました。

Q.1若く新しい観客に映画の魅力を伝えるために5本の“ドキュメンタリー映画”を観せるとしたら、どんな作品をセレクトしますか?

Q.2 その理由を 800 文字から 1,200 文字程度でお書きください。

アンケートの回答を公式WEBサイトで発表し、さらに名前のあがった作品群から選りすぐりの7本によるプログラムを組み、東京・ユーロスペースをはじめとした全国の〈アートハウス〉で巡回上映を実施します。ネオクラシックと言いうる傑作から、果てはモキュメンタリーまで。ぜひこの機会に“ドキュメンタリー”の多様な方法と視点の面白さをご堪能ください。

Q.1 の回答のみ下記に掲載いたします。
Q.2 の回答は公式サイトに全文掲載されております。

【18人の映画作家の回答】五十音順、敬称略

入江悠(映画監督)

・フープ・ドリームス(監督:スティーヴ・ジェームズ|1994年)
・映画は戦場だ 深作欣二in『バトル・ロワイアル』(演出・構成:浦谷年良|2001年)
・東京裁判(監督:小林正樹|1983年)
・ゆきゆきて、神軍(監督:原一男|1987年)
・コレクティブ 国家の嘘(監督:アレクサンダー・ナナウ|2019年)

小川紗良(俳優・映画作家)

・隣る人(監督:刀川和也|2011年)
・沈没家族 劇場版(監督:加納土|2018年)
・さとにきたらええやん(監督:重江良樹|2015年)
・人生フルーツ(監督:伏原健之|2016年)
・ゆきゆきて、神軍(監督:原一男|1987年)

小田香(映画作家)

・マルメロの陽光(監督:ビクトル・エリセ|1992年)
・あの家は黒い(監督:フォルーグ・ファッロフザード|1962年 )
・Palms(Ladoni)(監督:Artur Aristakisyan|1994年)
・おてんとうさまがほしい(撮影・照明:渡辺生、構成・編集:佐藤真|1994年)
・忘れられた皇軍(監督:大島渚|1963年)

草野なつか(映画作家)

・1000年刻みの日時計 牧野村物語(監督:小川紳介|1986年)
・SELF AND OTHERS(監督:佐藤真|2000年)
・ヴァルパライソにて...(監督:ヨリス・イヴェンス|1963年)
・ミュールハイム(ルール)(監督:ぺーター・ネストラー|1964年)
・書かれた顔(監督:ダニエル・シュミット|1995年)

小森はるか(映像作家)

・阿賀に生きる(監督:佐藤真|1992年)
・草とり草紙(監督:福田克彦|1985年)
・そっちやない、こっちやコミュニティ・ケアへの道(監督:柳澤壽男|1982年)
・ルイジアナ物語(監督:ロバート・フラハティ|1948年)
・アマチュア(監督:クシシュトフ・キェシロフスキ|1979年)

島田隆一(映画監督)

・ぼくの好きな先生(監督:ニコラ・フィリベール|2002年)
・宝島(監督:ギョーム・ブラック|2018年)
・トランスニストラ(監督:アンナ・イボーン|2019年)
・トトとふたりの姉(監督:アレクサンダー・ナナウ|2014年)
・ダゲール街の人々(監督:アニエス・ヴァルダ|1975年)

白石晃士(映画監督)

・光と闇の伝説 コリン・マッケンジー(監督:ピーター・ジャクソン、コスタ・ボーテス|1995
年)
・スパイナル・タップ(監督:ロブ・ライナー|1984年)
・ノロイ(監督:白石晃士|2005年)
・オカルト(監督:白石晃士|2008年)
・ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録(監督:ファックス・バー、ジョージ・ヒッケンルーパー、エレノア・コッポラ|1991年)

瀬田なつき(映画監督)

・三姉妹~雲南の子(監督:ワン・ビン|2012年)
・音のない世界で(監督:ニコラ・フィリベール|1992年)
・100人の子供たちが列車を待っている(監督:イグナシオ・アグエロ|1988年)
・少年裁判所(監督:フレデリック・ワイズマン|1973年)
・教室の子供たち 学習指導への道(監督:羽仁進|1954 年)

想田和弘(映画作家)

・Forever(監督:エディ・ホニグマン|2006年)
・In Comparison(監督:ハルーン・ファロッキ|2009年)
・My Name Is Salt(監督:ファリーダ・パチャ|2013年)
・Los Reyes(監督:Bettina Perut & Ivan Osnovikoff|2018年)
・Ostrov–Lost Island(監督:Svetlana Rodina & Laurent Stoop|2021年)

富田克也(映画監督)

・旅するパオジャンフー(監督:柳町光男|1995年) or ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR(監督:柳町光男|1976年)
・山谷 やられたらやりかえせ(監督:佐藤満男、山岡強一|1985年)
・1000年刻みの日時計 牧野村物語(監督:小川紳介|1986年) or どっこい!人間節 寿・自由労働者の街 (構成:小川紳介|1975年)
・忘れられた皇軍(監督:大島渚|1963年)
・からゆきさん(監督:今村昌平|1973年)

広瀬奈々子(映画監督)

・マルメロの陽光(監督:ビクトル・エリセ|1992年)
・圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録(監督:小川紳介|1967年)
・FAKE(監督:森達也|2016年)
・物語る私たち(監督:サラ・ポーリー|2012年)
・人間ピラミッド(監督:ジャン・ルーシュ|1961年)

深田晃司(映画監督)

・メキシコ万歳(監督:セルゲイ・エイゼイシュテイン、グリゴリー・アレクサンドロフ|1932、1979
年)
・動物園(監督:フレデリック・ワイズマン|1993年)
・セザンヌ(監督:ストローブ=ユイレ|1989年)
・花子(監督:佐藤真|2001年)
・快適な生活(監督:ニック・パーク|1989年)

藤元明緒(映画監督)

・ヴァンダの部屋(監督:ペドロ・コスタ|2000年)
・マルメロの陽光(監督:ビクトル・エリセ|1992年)
・ドキュメンタリー映画100万回生きたねこ(監督:小谷忠典|2012年)
・三姉妹~雲南の子(監督:ワン・ビン|2012年)
・ミッドナイト・トラベラー(監督:ハッサン・ファジリ|2019年)

甫木元空(映画監督)

・路地へ 中上健次の残したフィルム(監督:青山真治|2000年)
・ヴァンダの部屋(監督:ペドロ・コスタ|2000年)
・SELF AND OTHERS(監督:佐藤真|2000年)
・書かれた顔(監督:ダニエル・シュミット|1995年)
・ワン・プラス・ワン(監督:ジャン=リュック・ゴダール|1968年)

松林要樹(映画監督)

・My Name Is Salt(監督:ファリーダ・パチャ|2013年)
・Vivan las Antipodas(監督:ヴィクトル・コサコフスキー|2011年)
・コヤニスカッティ/平衡を失った世界(監督:ゴッドフリー・レッジョ|1982年)
・これがロシヤだ/カメラを持った男(監督:ジガ・ヴェルトフ|1929年)
・アンダルシアの犬(監督:ルイス・ブニュエル、サルバドール・ダリ|1928年)

三宅唱(映画監督)
・アウトレイジ 最終章(監督:北野武|2017年)
・百年恋歌(監督:侯孝賢|2005年)
・6才のボクが、大人になるまで。(監督:リチャード・リンクレイター|2014年)
・ハドソン川の奇跡(監督:クリント・イーストウッド|2016年)
・エリ・エリ・レマ・サバクタニ(監督:青山真治|2005年)

山中瑶子(映画監督)
・マルメロの陽光(監督:ビクトル・エリセ|1992年)
・アヒルの子(監督:小野さやか|2005年)
・東京干潟(監督:村上浩康|2019年)
・グレイ・ガーデンズ(監督:アルバート・メイズルス、デヴィッド・メイズルス、エレン・ホド、マフィ ー・メイヤー|1975年)
・セルロイド・クローゼット(監督:ロブ・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン|1995年)

横浜聡子(映画監督)

・イヨマンテ 熊おくり(監督:姫田忠義|1977年)
・教室の子供たち 学習指導への道(監督:羽仁進|1954年)
・絵を描く子どもたち 児童画を理解するために(監督:羽仁進|1956年)
・モアナ 南海の歓喜(監督:ロバート・フラハティ|1926、1980、2014年)
・ダゲール街の人々(監督:アニエス・ヴァルダ|1975年)
・グレイ・ガーデンズ(監督:アルバート・メイズルス、デヴィッド・メイズルス、エレン・ホド、マフィ ー・メイヤー|1975年)

企画・運営:東風 企画
協力:ユーロスペース
技術協力・予告篇制作:restafilms WEB
制作:坂元純(月光堂)
デザイン:loneliness books
文化庁「ARTS for the future! 2」補助対象事業

10月22日(土)より[東京]ユーロスペースにて開催 ほか[愛知]名古屋シネマテーク、[大阪]シネ・ヌーヴォ、[京都]京都シネマ、[鳥取]ジグシアターにて順次開催

【巡回上映プログラム】 現在、上記の作品群から7作品の巡回上映プログラムを選考しています。ラインナップは9月下旬頃 に決定・発表する予定です。

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