ベルリン国際映画祭で金熊賞、世界三大映画祭であるカンヌ、ヴェネチア、ベルリンすべてで監督賞受賞と伝説を作り、常に世界中の映画ファンが新作を心待ちにしている天才監督ポール・トーマス・アンダーソン。その最新作『リコリス・ピザ』が7月1日(金)より公開しております。
オリジナル脚本の完成度の高さ、細かな脇役に至るまで行き届いた演出が高く評価され、アカデミー賞主要3部門にノミネートされた本作。主演は三姉妹バンド、ハイムの三女であるアラナ・ハイムとポール・トーマス・アンダーソン監督の盟友フィリップ・シーモア・ホフマンの息子であるクーパー・ホフマン。ともに本作で鮮烈な映画デビューを飾り、主演女優賞やブレイクスルー賞を総なめにし、全米の映画賞を席巻しました!
ポール・トーマス・アンダーソン監督がこだわり抜いたセット、小道具、ファッション、で1970年台のハリウッド近郊、サンフェルナンド・バレーを舞台に、カメラアシスタントのアラナと高校生ゲイリーの瑞々しい恋模様を描き出した本作。日本での公開が始まり、劇場で鑑賞したユーザーからは「今年イチがでてしまったかもしれない」「観て本当に良かった。見終わった後の清涼感、ホッコリした気分が最高!」「超絶良かった!」「細かいエピソードがどれも良い。いい脚本」と絶賛の声が上がっている。
共演にショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディとレジェンドが集結し、ふたりの感情に寄り添う音楽を手掛けたのはレディオヘッドのジョニー・グリーンウッド。ポール・トーマス・アンダーソン監督とは本作で5作品目のタッグとなる。脇を固めるレジェンドたち、散りばめられた当時の音楽やファッション、そして恋の痛みと嬉しさに溢れる主人公たちの姿に、誰もが“あの頃の気持ち”と映画の楽しさを思い出さずにいられない!
この度、日本人妻“キミコ”を演じた安生めぐみさんのトークイベントレポートをお送りします!
エンドロールに感激!「ポール・トーマス・アンダーソンからのプレゼント」
この度、そんなサンフェルナンド・バレーに存在する日本食レストラン「ミカド」の、オーナーの2番目の妻“キミコ”として登場した日本人キャスト、安生めぐみのトークイベントレポートが到着!
出演までの道のりや、オーディション、そして舞台となったサンフェルナンド・バレーについてなど、本作の舞台裏をじっくりお聞きしました。
3.11の震災をきっかけに、「後悔しないようにやりたいことをやろう!」と長年憧れていた俳優への夢を叶えるべく一大決心し、渡米したという安生。ハリウッドに近く映画のスタジオが立ち並び、関係者も多く住んでいるというサンフェルナンド・バレーは俳優を目指すにはうってつけの場所。ここに居を構える安生は「自然も多くて、(リコリス・ピザの)映画そのままののんびりした雰囲気です。」とお気に入りの様子。短大の音楽学科や演劇クラスに通いながらウェイトレスのアルバイトをし、オーディションを受ける日々を過ごすが、なかなか芽が出ない毎日に心身ともに「辛くなることもあった」という。
そんな中、本作のオーディションに出会う。コロナ禍のためセルフテープオーディション(指定の演技をした映像資料を送り、合否が決まる形式)だったというが「メールに英語で該当シーンが添付されていて、それを自分なりに日本語に訳し、何度も撮って、(キャスティングディレクターに)送りました。」という。アメリカへ渡り10年、努力が実り見事合格し、初めて監督のポール・トーマス・アンダーソン(PTA)に会ったのは撮影当日だった。現場でPTAに「めぐみには、いろんなことをやってもらいたいんだ」と声をかけられことを振り返り、「この言葉が1番嬉しかった」と明かす。
「私が出演するシーンはとっても短いのに、PTAはいろいろなパターンの演出を考えてくれていました。実際に半日かけて演じたんですが、最後にPTAから「アラナから目を離さないで演じて欲しい」といわれたので、ギロッと(睨むように)演じてみたら、なにかカチッとハマった感覚がありました。」という。完成した作品を見るまでどのパターンが使われるかわからなかったが、「長いシーンではなかったので、そのシーンが使われるかどうかも心配していました。でも初めて完成した映画を観たとき、しっかりと使ってくれていて安心したし、感激もしました」と振り返る。自分の名前がエンドクレジットに映像付きで使用されていたことも「PTAからのプレゼントでした」と感激を隠し切れない様子。
また、撮影現場では「僕の義母は日本人なんだよ」とPTAに言われ、驚いた一幕も!安生の役名「キミコ」はPTAのパートナーであるマヤ・ルドルフの継母である日本人ジャズシンガーだった笠井紀美子さんからヒントを得ているらしく、『リコリス・ピザ』にもエキストラ出演しているそう。
日本滞在中に本作の公開を迎えた安生は、公開初日(7月1日)に劇場へ足を運んだそうで「日本で見るときは、日本語字幕がどんなふうについているのか、楽しみにしていました。キワどいシーンを字幕で読んで初めてちゃんと理解した部分もあったりして、PTAの挑戦を感じましたね。」と、鑑賞を楽しんだという。
「私ならできるはず!」と自らを信じ、決して夢を諦めずに俳優を目指し続けた結果『リコリス・ピザ』で華々しくハリウッド映画で銀幕デビューを果たした安生。PTAの作品はほぼ全て見ている安生が1番好きなのは「独特の愛の形が表現されていると思う。」という『ファントム・スレッド』だという。そんなPTAのファンでもある安生が演じるキミコの姿、そしてポール・トーマス・アンダーソン監督の細部までこだわりの詰まった演出を是非、劇場でお楽しみください。
また、このイベントの直後にロサンゼルスに戻りオーディションを受け「日本の皆様にお届けできるような作品に出演できるよう、頑張りたい」と語る安生の、今後の活躍にもご期待ください!
安生めぐみ profile
昭和音楽大学短期大学部ミュージカル科の卒業公演で主役を務め特別賞を受賞。
卒業後、アップスアカデミーにてアメリカの演技手法を学ぶと同時に、日本舞踊正派西川流に入門し師範名取となる。
時代劇の舞台やテレビの現場で経験を積み、2011年に本格渡米。映画の名門である南カリフォルニア大学などの短編作品に参加。学業を続ける傍らコミックオペラ『ペンザンスの海賊』にケイト役で出演。渡米10年目にして、ポール・トーマス・アンダーソン監督最新映画『リコリス・ピザ』の撮影に臨み、さらにNBCの人気ドラマ「グッドガールズ:崖っぷちの女たち」シーズン4にも出演。映画とテレビでの同年デビューを果たした。
『リコリス・ピザ』予告解禁
【作品概要】
舞台は1970年代のロサンゼルス、サンフェルナンド・バレー。実在の人物や出来事を背景にアラナ(アラナ・ハイム)とゲイリー(クーパー・ホフマン)が偶然に出会ったことから、歩み寄りすれ違っていく恋模様を描き出す。共演にショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディと各界のレジェンドが集結しているのも見逃せない。
脚本・監督:ポール・トーマス・アンダーソン
出演:アラナ・ハイム、クーパー・ホフマン、ショーン・ペン、トム・ウェイツ、ブラッドリー・クーパー、ベニー・サフディ
配給:ビターズ・エンド、パルコ ユニバーサル映画
© 2021 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式Instagram @licorice_pizza_jp
公式Twitter @licoricepizzajp