若松孝二監督が、2012年の突然の事故で他界し、今年10月で没後10年が経つことになります。昭和の激動の時代から平成に至るまで、日本映画史に多くの問題作を作り続け、映画界の唯一無二の存在だった若松孝二監督のターニングポイントになった『17歳の風景 少年は何を見たのか』のメイキング映像となるドキュメンタリー作品『67歳の風景 若松孝二は何を見たのか』の公開が決定いたしました。来る5月7日(土)~20日(金)までの期間、新宿K’s cinemaにて『67歳の風景 若松孝二は何を見たのか』を中心に『17歳の風景 少年は何を見たのか』『理由なき暴行』を含め、上映いたします。

画像: 若松孝二監督没後十年ー追悼上映『67歳の風景 若松孝二は何を見たのか』上映決定!

『67歳の風景 若松孝二は何を見たのか』を中心に『17歳の風景 少年は何を見たのか』『理由なき暴行』も上映!

世界的な評価を得た『キャタピラー』(’10)や、昭和という時代に決着をつけた『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(’08年)、『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(’12年)、遺作となった『千年の愉楽』(’12年)へと、後期若松作品に向かう中でのターニングポイントとなった『十七歳の風景、少年は何を見たのか』の製作現場を追いかけた『67歳の風景 若松孝二は何を見たのか』は、まさに若松プロのフットワーク、行動力がスピード感たっぷりと描かれます。
10数名ほどの少数スタッフを引き連れ、早朝から深夜までに及ぶ過酷な製作現場。まさにゲリラに次ぐゲリラ撮影が続き、時には怒号を発しながら撮影現場を鼓舞し、時には瞬時の判断の下、若松孝二監督の指示が飛ぶ。「撮りたいものを撮る」という信念、執念が本作を通して伝わってきます。
「十七歳の風景」のシナリオ参加からメイキングを撮ることになった竹藤佳世監督が、ハンディカメラで追いかけた、監督若松孝二は、“何を見たのか?”。北へ北へと向かい、偶発性が奇跡的な瞬間を生み、映像詩となった『十七歳の風景、少年は何を見たのか』のクランクアップまでを捉えた完全密着ドキュメンタリーロードムービー『67歳の風景 若松孝二は何を見たのか』から見えてくる若松孝二監督の魅力をたっぷりと伝えます。
また、本作の公開記念として、『17歳の風景 少年は何を見たのか』(’05)、そして、若松孝二監督の初期傑作『理由なき暴行』(’69)を、鈴木一(著)「僕の理由なき暴行」の刊行記念として上映も決まりました。鈴木一氏は、同作品で主演の若者役を演じています。

上映作品

『67歳の風景 若松孝二は何を見たのか』

2005年/日本/4:3スタンダード/91分

監督・撮影・編集:竹藤佳世 
出演:若松孝二 
製作・配給:シマフィルム

若松孝二監督作『17歳の風景 少年は何を見たのか』(
2005年)の製作過程に密着、常に社会的な問題と向き合いながら映画を撮り続ける鬼才・若松孝二の知られざる創作の現場に迫ったメイキング・ドキュメンタリー。メイキングを担当した竹藤佳世は『17歳の風景』のシナリオへの参加をきっかけに、富士山に始まる東北ロケに完全同行、若松監督の映画作りの一部始終を記録していく。肺ガンを克服し復活を遂げた67歳のベテラン監督自らがスタッフの先頭に立ち、極寒の東北を旅していく姿を通して、映画作りに懸ける熱い思いを映し出していく。
© SHIMAFILMS

『17歳の風景 少年は何を見たのか』

2005年/日本/1:1.78/90分 

監督:若松孝二 
プロデューサー:志摩敏樹 ラインプロデューサー:大日方教史
脚本:山田孝之、出口出、志摩敏樹 撮影:辻智彦 照明:大久保礼司 録音:川嶋一義 編集:板部浩章 助監督:白石和彌
音楽:友川カズキ 
出演:柄本佑、針生一郎、関えつ子、小林かおり、不破万作、田中要次 
制作:若松プロダクション
製作・配給:シマフィルム

母親を殺害した少年は、おのれの過ちから身を引き剥がすようにして、ひたすら自転車で北へと向かった。独自のモチーフと手法が際立つ作品として、あまたある若松監督作品の中でも今なお異彩を放ち続ける一本。若松孝二監督が、2000年に岡山県で起きた17歳の少年による母殺しの事件にインスパイアされ撮り上げた異色ドラマ。撮影当時17歳だった柄本佑の熱演、友川カズキの衝撃的な楽曲の鼓動が、移ろいゆく日本の原風景に反響する。★第17回東京国際映画祭Riff出品
© SHIMAFILMS
*DCP版での上映 

『理由なき暴行』

1969年/日本/シネマスコープ/72分 

監督:若松孝二 
脚本:出口出 撮影:伊東英男 証明:磯貝一 助監督:小水一男 監督助手:吉積恵 撮影助手:高間賢治 
出演:村岡博、坂口俊正、城一也、江島裕子、大浜夕子、浅香なおみ(鈴木いずみ) 
製作:若松プロダクション

貧乏でもてない19歳の学生、浪人生、工場労働者の男三人組が、アパートの一室で共同生活しながら、底辺にいる自らを蔑み、金持ちや社会、学生運動までも激しく呪いながら、強姦、覗き、ナンパを繰り返し自滅していく。
実際に登場している三人組の主人公たちが書いた脚本によって、世界すべてに対する憎悪は極限まで突き詰められ、これまでのジャンルとしての青春映画とは異なった、真の様を描く階級的青春映画が生み出された。*DCP版での上映

配給:シマフィルム   
協力:若松プロダクション
©若松プロダクション        

開催期間:2022年5月7日(土)~20日(金) 会場:新宿K’s cinema 

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