『チェルノブイリ 1986』を予定通り5月6日(金)より全国にて公開いたします。配給会社株式会社ツインでは、公開決定にあたり以下のようなメッセージを発信しました。

ロシアによるウクライナ侵攻状況を鑑みますと、ロシア映画である本作の公開は控えるべきというご意見もあるかと思います。しかし製作・監督・主演のダニーラ・コズロフスキーは、自身のインスタグラムで明確に戦争反対を表明しています。又プロデューサーのアレクサンドル・ロドニャンスキー(「裁かれるは 善人のみ」「ラブレス」)はウクライナ人であり同国を代表するプロデューサーで、先般ロシア当局からウクナイナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領と共に“ペルソナ・ノン・グラータ”(好ましからざる人物)に認定され、過去の全プロデュース作品に対してロシアでの公開禁止処分を受けました。

戦争を行っている国家としてのロシアではなく、戦争反対を表明し一日も早く平和が訪れることを願う、ロシア、ウクライナを代表する映画人によって製作された本作の公開を通じ、世界を震撼させた大事故のなかで必死に生きようとした人々の姿を知り、平穏に暮らせる日々の尊さを再認識する一助となることを願っています。

尚本作は、1986年4月、当時ソビエト連邦だったウクライナのプリピャチで起きたチェルノブイリ原子力発電所の爆発事故で、未曾有の事態に命を懸けて挑んだ消防士の姿を描いた人間ドラマです。原発事故による悲劇が繰り返されないことに祈りを込めて製作された作品として、事故の記憶を風化させないためにも、予定通り公開することに致しました。

そして、本作の興行で得た収益の一部をユニセフなどウクライナの方々への人道支援活動を行う団体に寄付いたします。
ー株式会社ツイン

画像: (C)«Non-stop Production» LLC, (C)«Central Partnership» LLC, (C)«GPM KIT» LLC, 2020. All Rights Reserved. chernobyl1986-movie.com

(C)«Non-stop Production» LLC,
(C)«Central Partnership» LLC,
(C)«GPM KIT» LLC, 2020. All Rights Reserved. chernobyl1986-movie.com

また、ダニーラ・コズロフスキー、アレクサンドル・ロドニャンスキーが Instagram に下記の声明を上げております。

<主演/監督/製作 ダニーラ・コズロフスキー 2/27Instagramより>

今起こっていることは、大惨事だ。全ての意味においての大惨事、すなわち人間的、人道的、政治的、経済的といった、あらゆる意味において、である。僕は心の底から自分の国を愛している。そして真の愛国主義とは、自分が本当に感じ経験している真実を語 る断固たる姿勢だと常に考えている。
僕自身が深く失望していることだが、自分はこの資質を常に発揮してきたとは言い難い。だが今この瞬間は語らなければならない。 あの後戻りできない地点を、僕たちは文字通り戦車で通過しつつあるのだ。今このことを僕が書いているのは、煽り目的でも攻撃を更に炎上させるためなんかでもない。ただ本当に痛みを感じるからなんだ。今や常套句となった例の質問をする人たちもいるだろう ― 「じゃあお前はこの8年間、どこにいたんだ?」って。それに対してはすぐに質問を返したくなる― 「そういう君たちはどこにいたんだ?」って。でも質問に対して質問で答えるのは失礼だから、違う回答をしよう。「分からない」と。何も見てこなかったし、理解していなかった。または見たり理解することを望んでいなかった...無関心だった、と。あらゆる手段を用いて理性と平和を訴えるべきだった時、僕が関心を持っていたのはただ自分の人生のみだった。無邪気に考えていたんだ。これらの全ては終わり、あちらでは上層部が必ずや話し合いで合意するだろうって。だってその座には賢い人たちが就いているのだから。戦争は起こさせないだろう、って。で もそれは起きてしまった。恐ろしい。苦しい。耐え難いほどに悲しい。そして恥ずかしい。自分自身をも含めて。この数年間における自分の沈黙と無関心が、恥ずかしい。でも暴力を用いて平和をもたらすなんてことは、果たして可能なのか?暴力は更なる暴力を生み出すだけだ。コロナウィルスや様々な紛争によって衰え神経質(ナーバス)になった21世紀において、このような問題を兄弟民族に対する「軍事作戦」なんかで果たして解決できるのだろうか?何故多くの人々の予測が外れたのだろうか?それは、こんなことは全く想像すらできなかったからだ。ハリコフやキエフ、その他の美しい街の名前が軍事記録の中で見られるようになるとは。そしてウクライナの友人たちが電話で呆然と問いかける「どうして?」に対し、僕たちは何か曖昧な内容を口ごもることになるとは、想像できなかった。いま僕たちは全員ひとり残らず傷を受けている。何故なら、僕たちの世界を覆う呪いや憎しみ、非難は自分たち自身から生じるもので、あらゆる戦争がもたらすものだからだ。

兵士や民間人が亡くなり、ミサイルが住宅を攻撃している。たとえ政治に通じていなくても、これにはいかなる正当性もないことははっきり分かる。尊敬すべき大統領、直接呼びかける無礼をお許しください。ですが、この恐ろしい不幸を止められる力があるのは貴方だけなのです。
僕たちは、ある高官が表現しているような「反対者の国民」なんかではなく、世界の中で何よりもただ平和と平穏のみを愛し願う自国民なのです。
僕の名はダニーラ・コズロフスキーで、戦争に反対しています。このことを、ただ自分の名において心から述べています。

<製作:アレクサンドル・ロドニャンスキー 2/25Instagram より>

2月24日の早朝、成人した息子がキエフから電話をかけてきて、衝撃と落胆のこもった声で話した。「始まったよ...」と言いながら、ミ サイルの音を聞かせてくれた時は、信じられなかった。もちろん、こういう事態になるかもしれないということは事前に分かってはいたが、それでもキエフでミサイルが炸裂しているなんて...。
私の生まれ故郷であり、親戚や友人、同僚が住み、両親や祖父母が眠るキエフが、私がこの20年間、家族や友人とともに暮らし、仕事をしてきた国のミサイルに襲われるとは想像もできなかった。私は生まれてからずっとロシア語を話している。
そして、今でも信じられない。(ウクライナのパスポートを持っているため)私はロシアの大統領選に投票はできないが、耐え難い恥ずかしさを感じている。また信じられないほど深い悲しみに包まれている。昨日初めて衝撃を受けた後、私は自分のInstagramに、戦争の最中に目覚めたすべての人々のために、喪に服すと書いた。
しかし今日、ウクライナ人はこの事態を乗り越えることができると私は知っている。優しく勇敢な人々は、この戦争を乗り越えていくだろう。なぜなら彼らは祖国のために戦っているからだ。
多くのロシア人、賢くて繊細な人々が、心の底から震えていることを私は知っている。彼らは恥だとすら感じている。 戦争に言い訳はない。戦争を起こした人々が何を主張しようとも。
私は、ソ連政府がアフガン戦争の絶対的な必要性をどのように説明したかをよく覚えている。そして、それが悲劇的な間違いであったと認めるまでに、10年の歳月と1万5千人のソ連兵、100万人近いアフガニスタン人の犠牲を要したことも記憶している。

今日、ベトナム、イラク、アフガニスタンでの自国の戦争に言い訳を見いだせるアメリカ人はほとんどいない。
そして、この戦争も悲劇的な間違いである。国民経済が破綻し、わが国が世界で孤立し停滞し、技術格差が拡大し続けるからではない。この間違いに対する恥は決して消えないからだ。それは私たちの子供たち、そして孫たちにまで残り続ける。
私たちは黙っているわけにはいかない。
戦争にNOを。

『チェルノブイリ1986』本予告

画像: 『チェルノブイリ1986』本予告(NEW) youtu.be

『チェルノブイリ1986』本予告(NEW)

youtu.be

ストーリー:
若き消防士アレクセイは、元恋人オリガと10年ぶりに再会を果たし、彼女とともに新たな人生を歩みたいと願っていた。ところが地元 のチェルノブイリ原発で爆発事故が起こり、それまでの穏やかな日常が一変。事故対策本部の会議に出席したアレクセイは、深刻な水蒸気爆発 の危機が迫っていることを知らされる。もしも溶け出した核燃料が真下の貯水タンクに達すれば、ヨーロッパ全土が汚染されるほどの大量の放射性 物質がまきちらされてしまう。愛する人のためタンクの排水弁を手動でこじ開ける決死隊に志願したアレクセイだったが行く手には、想像を絶する 苦難が待ち受けていた...。

製作・監督・主演:ダニーラ・コズロフスキー『ハードコア』
製作:アレクサンドル・ロドニャンスキー『裁かれるは善人のみ』
出演:オクサナ・アキンシナ『ミッション・イン・モスクワ』、フィリップ・アヴデエフ『LETO-レト-』
2020年/ロシア/ロシア語/135分/シネスコ/5.1ch
字幕翻訳:平井かおり/字幕監修:市谷恵子/配給:ツイン G
(C)«Non-stop Production» LLC,
(C)«Central Partnership» LLC,
(C)«GPM KIT» LLC, 2020. All Rights Reserved. chernobyl1986-movie.com

5/6(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー

This article is a sponsored article by
''.