ホアキン・フェニックス主演、マイク・ミルズ監督、A24製作の映画『カモン カモン』(4月22日(金)全国公開)より、美しいモノクロームの映像美を切り取った新場面写真が解禁となります。併せて、マイク・ミルズ監督がモノクロへのこだわりを語る本人コメントも到着。

マイク・ミルズ監督が明かす、モノクロで作られた理由とは?
ヴィム・ヴェンダース『都会のアリス』ほか数々の名作からインスパイア

本作は、ニューヨークを拠点に全米各地を飛び回るラジオジャーナリストのジョニー(フェニックス)が9歳の甥っ子ジェシー(ウディ・ノーマン)との突然始まった共同生活を通して、初めての子育てに戸惑いながらも、絆を見出していく姿を描いた感動のヒューマンドラマ。
『人生はビギナーズ』『20センチュリー・ウーマン』を手掛けたマイク・ミルズ監督初の全編モノクロ長編作で、どの瞬間を切り取っても美しいモノクロームの映像に目を奪われる。

ミルズ監督はモノクロへ並々ならぬこだわりがあった。
モノクロにした理由を「この映画の物語は、すごくありきたりのことだと思うんだよね。子供をお風呂に入れて、一緒に寝て、ご飯食べるというものだからね。だけど白黒にすることで、その日常風景から切り離されて、これは“物語”なんだということをまず提示できると思った。」と明かしている。
加えて、「子供と大人がある場所を歩いていくというイメージが僕の頭の中に浮かんだんだけど、それが神話的かつ、寓話的で、ほとんどクリストファー・ロビンとくまのプーさん的な絵のような映像や、『キッド』(1921)でのチャーリー・チャップリンと子供みたいな感じだった。さらにイソップ物語的なイメージが浮かんだんだ」と本作の着想を語り、モノクロ映画が持つ効果について「日常から切り離して、”物語”の中へ導くための手段でもあったんだ」と説明。
理由をさらに加えるとしたら、ミルズ監督が白黒映画を好きだったということも挙げられる。モノクロを簡素な映像ではなく、生き生きとした表現が可能な手法と考えていたミルズ監督は、ヴィム・ヴェンダース監督『都会のアリス』(74)を筆頭に、フランソワ・トリュフォー監督『ピアニストを撃て』(59)、ミロス・フォアマン監督『ブロンドの恋』(65)、ピーター・ボグダノヴィッチ監督『ペーパー・ムーン』(73)、エルマンノ・オルミ監督『婚約者たち』(63)など白黒の名作からのインスパイアを受けたという。

アカデミー賞ノミネートの『女王陛下のお気に入り』や名匠ケン・ローチ監督作常連の“職人”と作り上げた映像美

本作で撮影を手掛けたのは、ヨルゴス・ランティモス監督の『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞撮影賞にノミネートされ、『わたしは、ダニエル・ブレイク』など名匠ケン・ローチ監督作常連のロビー・ライアン。様式化された芸術的な映画からリアリズムを追及した作品まで担う、まさに“職人”ともいえる撮影監督だ。「主に自然光を使って、臨場感を出すことを考えていた」というミルズ監督は、「ロビーはその点で非常に優れている。また、強引にならないように美しく見せる方法についても極めて鋭いセンスを持っている」とライアンの手腕を絶賛している。

デトロイト、ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズの4都市をモノクロで撮影

デトロイトからロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズへと旅をするロードムービーの側面も持つ本作。
ミルズ監督は、「東、西、北、南の各都市が入っているのが気に入った」と語り、ライアンは「モノクロにすることで、さまざまな場所に統一感を持たせることができた。これは、旅全体をひとつにつなぐ感覚だ」「この世界をモノクロで包み込むわけだけど、人間関係や感情よりも映像が勝ってしまわないように、バランスをとることが重要だった」と振り返っている。

画像: ロサンゼルス © 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.

ロサンゼルス
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画像: ニューオーリンズ © 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.

ニューオーリンズ
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画像: ニューヨーク © 2021 Be Funny When You Can LLC. All Rights Reserved.

ニューヨーク
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こうしてミルズ監督とライアンが手掛けた生き生きとしたモノクロの映像美は、見事に現実世界と寓話を調和させた。今回解禁となった場面写真は、2人が作り上げた洗練された映像よりロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズの景観が切り取られたもの。美しいモノクロームの映像詩は、ぜひ劇場で堪能してほしい。

【STORY】
NYでラジオジャーナリストとして1人で暮らすジョニーは、妹から頼まれ、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることに。LAの妹の家で突然始まった共同生活は、戸惑いの連続
。好奇心旺盛なジェシーは、ジョニーのぎこちない兄妹関係やいまだ独身でいる理由、自分の父親の病気に関する疑問をストレートに投げかけ、ジョニーを困らせる一方で、ジョニーの仕事や録音機材に興味を示し、二人は次第に距離を縮めていく。仕事のためNYに戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことを決めるが…。

監督・脚本:マイク・ミルズ 『人生はビギナーズ』『20センチュリー・ウーマン』

出演:ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト
音楽:アーロン・デスナー、ブライス・デスナー(ザ・ナショナル)

配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2021年/アメリカ/108分/ビスタ/5.1ch/モノクロ/原題:C’MON C’MON/日本語字幕:松浦美奈

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4月22日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

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